チエネッタ

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2018.05.25

連載子育てデジタルシフトを考える

vol.05

子どもたちはLINEとTwitterをどう使う?(前編)

写真:子どもたちはLINEとTwitterをどう使う?

チエネッタ読者のみなさん、はじめまして。エッセイストの紫原明子と申します。中学一年生と高校二年生の子どもを持つ二児の母です。

わが家の長女は、東日本大震災の起きた2011年に小学校入学を迎えました。いつ何が起きるか分からないのだから、何かの際にはすぐに連絡がつくようにと、小学校入学とともにスマートフォンを持たせ、LINEも使わせてきました。特に大きなトラブルもなく過ごしてきましたが、状況が変わったのは小学校卒業を目前に控えた今年2月のこと。中学受験を終えたクラスのお友達が次々とスマホデビューにLINEデビュー。それを境に、クラスのLINEチャットが急に活発になり始めたのです。ほどなくして、やっぱり色々と出てきてしまいました。

「◯◯ちゃんがグループから退会しちゃったんだけど.........」
「LINEのメッセージできついこと言われちゃった」

便利な一方、大人だって神経を使う文章のコミュニケーション。子どもたちが致命的なトラブルに巻き込まれる前に、親は一体どんなことに気をつけ、何を指導しておけば良いのでしょうか。子どもたちのスマホ事情に詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんにお話を伺ってきました。

(話し手)高橋暁子さんプロフィール

画像:高橋暁子さん

ITジャーナリスト。
元小学校教員。Web編集者を経て独立。書籍、雑誌、WebメディアでSNSや情報リテラシー教育にまつわる記事を執筆し、SNSの安心安全な使い方(LINEいじめ、LINE依存、Twitter炎上、Facebookの個人情報漏洩、ソーシャルゲームの課金問題、出会い系被害の対策)等をテーマとしたテレビ、雑誌、新聞、ラジオ等メディア出演多数。著書に『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)等。小学三年生の子どもを持つ一児のママ。

(聞き手)紫原明子さんプロフィール

画像:紫原明子さん

エッセイスト。
ブログ「手の中で膨らむ」が話題となり執筆活動を本格化し、『cakes』『SOLO』『WEB DRESS』など連載多数。「ウーマンエキサイト」では、「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」を発案し、「赤ちゃんが泣いても嫌じゃないよ!」と意思表示するステッカーを作成。著書に『家族無計画』(朝日出版社)、『りこんのこども』(マガジンハウス)等。高校二年生と中学一年生の子どもを持つシングルマザー。

長電話のように延々と......子どもたちはLINEで何を話してるの?

写真:長電話のように延々と......子どもたちはLINEで何を話してるの?
紫原明子さん

最近、娘のLINEが一日中鳴り続けているんです。いくら仲良しの友達相手とはいえ、よくそんなに話すことがあるなあと思うのですが......。

高橋暁子さん

子どもたちの「LINEチャットが終わらない問題」は本当によく耳にします。紫原さんは学生時代、長電話していませんでしたか? 私たちにとってのかつての電話が、今の子どもたちにとってのLINEなんですよ。たとえば家でテレビやYouTubeを見て「わ、これウケる」と思ったときに、「明日学校行ったら話そう」じゃなくて「今話そう」という風に、延々と"ながらトーク"をしている。LINEに加えて、Twitterもよく使っていますね。この二つが鉄板です。

紫原明子さん

LINEとTwitterを、どんな風に使い分けているんですか?

高橋暁子さん

LINEでのトーク内容のスクリーンショットをTwitterにアップして会話を続けたり、またLINEに戻ってきたり。

紫原明子さん

なぜ行ったり来たりするのでしょうか??

高橋暁子さん

LINEってプッシュ通知だから送った相手にプレッシャーを与えるというか、誰にともなく聞いてほしいことはTwitterに......とか、そんな感覚みたいですね。

子どもたちが複数のアカウントを使い分けるワケとは?

紫原明子さん

そういえば今の子は複数のTwitterアカウントを持っている、といった話も聞きますね。

写真:つぶやく内容に合わせてアカウントを使い分けます。
高橋暁子さん

まず小学生のうちは紫原さんのお子さんのように、家族やクラスのお友達との会話にLINEを使います。ここにTwitterが加わるようになるのは主に中学生以降です。今の子どもたちは当たり前のようにTwitterアカウントを複数持っていて、現在のクラスメートと繋がるためのアカウント、卒業した学校の同窓生と繋がるためのアカウント、趣味のアカウント、ネガティブなことをつぶやくためのアカウントというように、つぶやく内容に合わせてアカウントを使い分けます。

紫原明子さん

それは、見せる相手によって自分の顔を使い分けたいということですか?

高橋暁子さん

そういう面もありますが、その話題に興味がない人のタイムラインを汚さないための配慮も理由です。高校のクラスでの話題を中学の友達が読んでも意味が分からず面白くないだろう、という。

紫原明子さん

なるほど〜! 子どもたちは相手へのマナーとしてアカウントを使い分けているんですね。

高橋暁子さん

そうなんです。また、最近の高校生や大学生はTwitterのプロフィールに"#◯◯大△年"や"□□高入学予定"というように、所属する学校名や、入学予定の学校名を書いています。同時に、"#春から◯◯大""#春から□□高"などのハッシュタグをつけたツイートで積極的に仲間を募ります。今の子は"ボッチ(=ひとりぼっちになること)"って本当にダメみたいで、こうすることで、ハッシュタグ検索によってこれから同級生になる生徒と繋がることができます。Twitterで繋がると、今度はLINEのアカウントを交換するんです。ですから最近は多くの学校で、新入生のLINEグループが入学式より前に、水面下で出来上がっているんです。

顔の見えない相手とのやりとりに潜む危険

写真:顔の見えない相手とのやりとりに潜む危険
紫原明子さん

子どもたちは、私たちが思いもよらない方法でコミュニケーションをとっているんですね。少し怖い気もします......。

高橋暁子さん

そうですね。特にTwitterは顔の見えない相手とのコミュニケーションですから、当然リスクもあります。最近多いトラブルはやはり、写真の悪用。Twitterなどで知り合った相手にプライベートな写真を送ってしまって、ばらまくぞと脅され性被害に遭うといったケースもあります。

紫原明子さん

不思議なんですが、子どもたちはどうして知らない相手に写真を送ってしまうんでしょう。

高橋暁子さん

しつこく要求され根負けしてしまう場合や、成人男性が女子を装って油断させる場合、また単純に相手を喜ばせたいからと安易に送ってしまう場合もあります。
そもそも子どもたちは、写真を送った先にどんなリスクがあるかということを、案外知りません。ニュースでどんなに沢山流れていたって、最近は自分が興味のあるニュース以外は見ない時代ですから。"当然知っているはず"とは思わないで、"こういう風に怖い目に遭う可能性があるよ"と、事前に、具体的な話を聞かせておくことがとても大切です。

画像拡散、仲間はずれ、止まらない悪口......LINEいじめの実態

写真:画像拡散、仲間はずれ、止まらない悪口......LINEいじめの実態
紫原明子さん

ここ数年は、LINEいじめの問題もよく耳にします。具体的なケースを教えてください。

高橋暁子さん

一番よくあるのが、大勢が参加しているグループチャットで恥ずかしい写真を晒されてしまい、学校に行けなくなってしまうケース。ほかには、やはりグループチャットの中で、特定の一人だけの発言を全員で無視する仲間はずれ系ですね。
グループに呼ばれない、あるいはグループには呼ばれるけどその子を抜いた別のグループでチャットして、それをあえてその子がいるところで分かるように、「昨日のLINE楽しかったね」。で、「私だけ知らない...」っていう疎外感を味わわせるいじめ。

紫原明子さん

......大人でもつらいですね。

高橋暁子さん

また、特定の一人への悪口を複数名で延々と投げかけ続ける悪質なものもあります。実際、わが子がターゲットになってしまったお父さんにお話を伺ったことがありますが、かわいそうで泣けてきたとおっしゃっていました。子どもって言葉を選ばない。しかも文章なので、対面より言葉がずっときついんです。

LINEいじめにはLINEで相談?チャット相談窓口の存在

写真:LINEいじめにはLINEで相談?チャット相談窓口の存在
紫原明子さん

そもそもネット上のいじめは、LINEが今のように一般的になる前からさまざまな形で存在していたかと思います。LINEいじめの顕著な特徴は何でしょうか。

高橋暁子さん

以前のネットいじめは"学校裏サイト"などが主な舞台でした。裏サイトとは言っても、2ちゃんねるなど誰でもアクセスできる開かれた場所にあり、学校や自治体が探そうと思えばすぐに探し出すことができました。実際に、それでいじめを見つけて止めることができたケースもあったんです。ところが、いじめの舞台がLINEに移ってからというもの、外から探すことがとても難しくなってしまいました。検索の対象でもないし、グループに招待されないと見られないので。

紫原明子さん

なるほど。子どもたちの多くは、心配をかけたくないからと、いじめられても親に相談しないと聞いたことがあります。見つけにくい上に、相談もしづらいとなると、いじめはどんどん深刻化してしまいますね。

写真:LINEいじめにはLINEで相談?チャット相談窓口の存在
高橋暁子さん

そうなんです。そこでぜひ知っておいていただきたいのが、LINEでのいじめ相談窓口の存在です。これはLINEのチャット経由でいじめ相談を受け付けるもので、昨年9月、全国に先立って長野県教育委員会が開設しました。すると開始から約2週間で、それまで電話で受け付けていた年間相談数の、およそ2倍にあたる数の相談が寄せられたんです。

紫原明子さん

そんなに! 電話でなくてチャットということで、子どもたちの心理的なハードルが低いんでしょうね。

高橋暁子さん

はい。今の子って知らない人に電話なんてかけたことがないし、メールも使っていない。でもLINEだったら慣れているので、こういう窓口はとても有効ですね。ですからこのようなLINE相談窓口について、ぜひお子さんに"こういう窓口があるよ"とあらかじめ知らせておきましょう。

紫原明子さん

デフォルトで友達追加させておきたいくらいですよね。

大人には思いもよらない、子どもたちのオンラインコミュニケーション。
後編では、どうやって子どもたちにネットリテラシーを教えていけばいいのか、さらに踏み込んでお聞きします。

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