リモートワーク、オンラインゲーム、スマートフォンのWi-Fiなど日々の仕事や暮らしで安定して高速な光回線が求められています。
光回線を選ぶなら、「NTT西日本品質」という選択を。
審査22-956-1
公開日:2020.03.31
私たち生活者の新たな消費行動「エシカル消費」という考え方が広まっています。「倫理的」「道徳的」といった意味を持つエシカル消費は、多くの生活者にサステナブルなライフスタイルを提供するのみならず、世界的な関心事である気候変動へ有効な対策ともなります。vol.1「気候変動」に続きvol.2では「エシカル消費」について、CIRCULAR ECONOMY JAPAN代表で、サーキュラーエコノミーの推進とサステナブルなライフスタイルを提案する中石和良氏にお話を伺いました。
PROFILE
監修者:中石和良氏
サーキュラーエコノミー(廃棄を出さない資源循環型経済)に関する情報蓄積・啓発等を行う非営利型一般社団法人「CIRCULAR ECONOMY JAPAN」代表理事。松下電器産業(現・パナソニック)、富士通において経理財務・経営企画部門を歴任。ITベンチャー、食材専門商社の経営企画部門役員を経て、2013年株式会社ビオロジックフィロソフィ、一般社団法人日本ビオホテル協会を設立。サステナブル社会実現に向けた活動を行う。
皆さんが普段身につけている衣料品......。そこにはどのような素材が使われているかご存じでしょうか。
もちろん洋服などのタグを見れば、なんの素材が使われているのか、はたまたどこで製造されたかくらいのことがわかります。しかしその素材がどこから調達され、どんな人が縫製・製造したのか。あるいは、その人がどのような労働環境下で働いているのか、まではきっとわからないでしょう。
私たちは長らく、その商品の"裏側の世界"をあまり気にせず過ごしてきました。もしかしたら、今身につけている洋服を作っている人は、かなりの低賃金で働かされているかもしれません。素材には環境負荷の大きい原料が使われていたり、あるいは動物保護の観点で社会的に好ましくないものだったり......。そうしたことを背景に、近年では海外セレブやアパレル業界を中心に「エシカルファッション」が流行しています。
エシカル(ethical)とは「倫理的」「道徳的」、あるいは「法的な定めとは別に、みんなが"正しい"と思うような社会的規範」といった意味を持ちます。すなわちエシカルファッションとは「素材選定・材料調達から製造・流通・販売等に至るまで、人・社会・環境に十分配慮しているファッション」のこと。
近年はファッションに限らず「エシカルフード」「エシカルカフェ」「エシカルイベント」「エシカルウェディング」といった「エシカル○○」が増えていて、そうした「人・社会・地球環境に配慮した倫理的な消費行動」「誰かが犠牲になることのない消費行動」は「エシカル消費」、その消費者は「エシカルコンシューマー」などと呼ばれています。
エシカル、という考え方自体は、海外を発祥としていますが、日本でも消費者庁がエシカル消費の普及・啓発のための取り組みを積極的に進めており、2015〜17年にかけては倫理的消費調査研究会を実施しました。現在も国内の各地で、普及・啓発活動を促進するためのシンポジウム「エシカル・ラボ」を定期的に開催しています。
海外に比べると、エシカル消費は日本での普及がまだまだ進んでいませんが、実は「エシカル」に近い考え方はこれまでにも存在していました。例えば、「フェアトレード」。"公正な貿易の仕組み"を意味する言葉です。
現代のグローバル社会では、先進国と開発途上国の間でさまざまな貿易が交わされていますが、なかには開発途上国の小規模農家の人たちなど、十分な賃金を得られずに働いているケースが見受けられます。そうした社会課題の解決に向け、労働者に適切な賃金が払われ、労働環境にも配慮し、その人たちの生活改善を支援する貿易を叶えていくのが、世界的なフェアトレードの考え方です。
フェアトレードの他にも「オーガニック」「伝統工芸」「地産地消」「エコロジー」といった活動も、エシカル消費の考え方に近いと考えられています。
エシカルはいわば、消費行動における新しい"尺度"のことです。投資の世界にもエシカルに近い尺度として「ESG投資」が拡大しています。
これは業績や財務状況ではなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の3要素から投資先を考慮・選別する方法のことです。特に2008年のリーマン・ショック以降、短期的な利益を追求せず、中長期的に企業の成長を見据えた投資スタイルとして注目されるようになりました。
また、エシカル消費を行ううえで重要な"視点"を与えてくれるのが、2015年9月に国連サミットで採択された「SDGs」(持続可能な開発目標)です。SDGsには2030年までの国際目標として「世界を変えるための17の目標」がまとめられています。
17の目標はいずれも「人・社会・地球環境に配慮した倫理的な消費行動」と密接に関連します。国内でも多くの大手企業が公式に「SDGsへの取り組み」を公開しています。普段の自分の生活において関係の深い企業・ブランドが、SDGsの枠組みのなかでどのような企業活動を行っているのか----。そんな視点からビジネスを見つめ、そしてそんな企業を"応援"していくことも、エシカル消費の一形態といえるのではないでしょうか。
次回、サステナブルなライフスタイルを送るためのキーワードvol.3では、エシカル消費とも関連する「サーキュラーエコノミー」について解説します。
関連記事:
「気候変動」とは? サステナブルなライフスタイルを送るためのキーワード1
「サーキュラーエコノミー」とは? サステナブルなライフスタイルを送るためのキーワード3
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