リモートワーク、オンラインゲーム、スマートフォンのWi-Fiなど日々の仕事や暮らしで安定して高速な光回線が求められています。
光回線を選ぶなら、「NTT西日本品質」という選択を。
審査22-956-1
公開日:2018.06.27
連載好きを叶えた人たち
vol.06
自分が手作りしたものを売ってみたいけど、本当に売れるのかな...。そんなふうに思っている方、多いのでは? iPhoneケースのデザイナー・岩永ミカさんは、「SNSやクラウドファンディングを使えば、気軽に手作りのものを販売できますよ」と言います。子育てしながら「自分のブランドを立ち上げる」という夢を叶えた岩永さんに、無理なく成功する秘けつをお聞きしました。
PROFILE
岩永ミカ
福井県在中。三児の母。5年前に趣味で始めた押し花iPhoneケースを、フリマアプリやSNSを活用して販売するように。2014年にチャレンジしたクラウドファンディングによって、オリジナルブランド「ROSE WITH TOO」を立ち上げ、月間300個近くを売り上げる商品に成長させた。子育てと両立しながら、地元のアトリエで作品作りに取り組む。
必要な材料をインターネットの仕入れサイトで購入し、軽い気持ちで作り始めたんですが、これが意外にも難しくて...。特に難しかったのが液体コーティングです。液だれを起こしてなかなかきれいに仕上がりませんでした。押し花も上手にできなかったので、近所にあった押し花教室に出かけて「教えてください!」と門をたたき、基礎から学びました。
でも、失敗しながら作り続けているうち、かわいいなと思えるものができるようになりました。「ようやくお気に入りのケースができた」と喜び、最初は自分使いのケースとして楽しんでいたんですが、だんだんこう思うようになっていったんです。
「私が作っているものを、世間の人もかわいいと感じてくれるんだろうか」。
世間の人の反応を確かめるには、販売してみるのが一番です。そこで、着古しの子供服を出していたフリマアプリに、試しに自作のiPhoneケースを出品してみたんです。すると、1個ずつですが出品するたびに売れていきました。「買ってくれる人がいるんだ」と思い、今度はハンドメイド系のアプリに登録。注文を受けてからケースを作るオーダーメイドも始めました。
でも、このときはまだ、現在のようにたくさん売れてはいませんでした。状況が変わったのは、インスタグラムに作品を載せるようになってから。たまたまネットでインスタグラムについて調べていたら、「インスタグラムの投稿写真を見て商品を買ったことがある」と答えた人が4割もいる、という記事を見つけたんです。当時、私もインスタグラムをやっていましたが、ケースの販売目的で使ってはいなかったので、この記事を見たとき「ああ、SNSって広告に使えるんだ」と思いました。
それからというもの、制作したケースの画像を投稿し、「こんなケースを販売しています」という告知を出すようにしました。すると注文がどんどん増え始め、一度作ったケースを再販してほしいという声も挙がってくるように。それまでは月間50〜60個だったものが、いつのまにか月間250〜300個も売れるようになっていました。
そんなある日、ネット販売に詳しい友人が、私に「クラウドファンディングをやってみたら?」と勧めてくれました。販売は順調なのに、なぜわざわざクラウドファンディング?と思うかもしれませんが、その友人は「クラウドファンディングなら、ケースを一つのブランドとして立ち上げることができる。目標達成したら、それはブランドが成功したという証になるよ」とアドバイスをくれました。
クラウドファンディングは、資金調達のために始めることが多いですよね。でも私の場合は、「ブランドをつくることができる」というメリットに引かれたんです。だから、寄付型のクラウドファンディングではなく、販売型のクラウドファンディング「Makuake(マクアケ)」を選びました。
そして2014年、最初のクラウドファンディングにチャレンジ。インスタグラムやツイッターなどのSNSに投稿しているうち、設定した期間より早く目標金額に達しました。何か特別なことをしたり、入念に準備したというわけではなく、自然に目標を達成できたという感覚でした。
クラウドファンディングについては、一番下のコラムでご紹介しています!
クラウドファンディングには、これまで3回チャレンジしていますが、一度、「いい勉強」と言えるような失敗をしたことがあります。2015年、2回目のクラウドファンディングに挑戦したときのことです。それまでは生花で押し花ケースを作っていたんですが、1つ1つ手作りのため、1日に制作できる個数がどうしても限られていました。「なんとかたくさんの人にケースを届けたい」。そんな気持ちから、生花ではなく、プリント版ケースの販売に切り替えたんです。
ところが、結果は失敗。目標金額を大きく下回ってしまいました。このときあらためて分かったんです。お客さまは、プリント版のケースではなく、生花で作ったケースに魅力を感じてくださっているんだと。こうした教訓が得られるのも、はっきりとした結果が出るクラウドファンディングならではだと思います。
ちなみに、3回目のクラウドファンディングは、再び生花でチャレンジ。目標金額を274%も上回る大成功のプロジェクトとなりました。
クラウドファンディングを始める前、私なりに工夫したことがあります。それは、自分の通販サイトを準備しておくこと。素人でも簡単に通販サイトを作成できるインターネットサービスが登場しているので、それを利用しました。パソコンソフトの使い方を知らなかった私ですら、自分でサイトを作ることができたくらい、本当に簡単にできるんです。
通販サイトを作ろうと思った理由は、クラウドファンディングで私を支援してくれた人を、フリマアプリではなく、自分のサイトに誘導することで、ブランドが確立されていくと思ったからです。狙い通り、サイトから買ってくださる方が増えました。
作品を販売するとき、頭を悩ませるのが「値決め」です。誰でも気軽に買えるようにと、初めのころは安めの価格設定にしていたのですが、友人が「良いものなんだから値段は下げないほうがいい」と強くアドバイスしてくれました。いまは、「これくらいの価値はあるだろうな」と思える価格設定にしています。周囲の人は、もう少し高くても売れると言うんですが(笑)。
作品がコンスタントに売れるようになって以来、家族の反応が変わりました。以前は、夜遅くまでケースを作っていると「なぜ趣味にそこまで力を入れるの?」という感じだったんですが、最近はきちんとした仕事として認めてくれています。子どもたちがお休みの日はアトリエに連れていくことも。空き地で見つけてきた花を差し出して「これ、押し花にして」とおねだりされることもあります。
最近は、手作りケースのワークショップに講師として呼んでいただいたり、有名ブランドから記念品ケースを作る依頼がきたりと、仕事に広がりが出ています。依頼がくるのも、電話やメールではなくインスタグラム。気軽にコンタクトが取れるSNSだからこそ、普段知り合う機会がない大企業やブランドともつながれるのだと思います。
インターネットがあれば、誰でも自分の作ったものを売れる時代です。販売の準備をするのもほぼネットでできますし、初期費用もかかりません。使い方も簡単。無理なく始められると思いますよ。
新しい商品やサービスを生み出したい、社会に貢献できるプロジェクトを実現したい、という気持ちを持った人が、インターネットを通じて広く呼びかけ、賛同する人から資金を集める「クラウドファンディング」。海外が発祥ですが、日本でもかなり定着してきました。
いまやたくさんのクラウドファンディングが存在していますが、大きく分けると、寄付を募る「寄付型」、商品やサービスを買う「購入型」があります。寄付型は、社会性の強いプロジェクトに向いていますが、賛同者の心をつかむ企画や説明がいるなど、一般の人が参加するにはややハードルが高い面があります。一方「購入型」は、ハンドメイドのものやこだわり商品を売りたい場合にうってつけ。購入の意思を示した人だけに販売できるので、在庫リスクを抱える心配もありません。広告費なども必要ないため、気軽に始められるのが特徴です。
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クラウドファンディングを使った、新しいショッピングスタイル!
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私がiPhoneケースを作り始めたのは、たまたま見つけた海外サイトがきっかけです。5年前、携帯電話をスマートフォンに機種変更をしたのを機に、スマホケースを探したのですが、私がほしいと思える商品がなかったんです。
「かわいいケースはないかな」とネット検索していたとき、たまたま見つけたのが、押し花をあしらったiPhoneケースの海外サイト。作り方がネット上にアップされていて、それを見たとき「あ、これなら私にも作れそう」と思いました。もともとモノ作りが好きで、カーテンや子どもの母子手帳ケースを縫った経験もあったので、単純に「やってみたい」と思ったんです。