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公開日:2018.04.18

連載好きを叶えた人たち

vol.04

2児の母イラストレーターに聞くリモートワークの極意

写真:2児の母イラストレーターに聞くリモートワークの極意

近年、リモートワークや副業・ダブルワークが推奨されるなど、働く環境は大きく変わりつつあります。イラストレーターになりたいという子どもの頃からの夢をかなえた山本ゆうかさんは、伊豆大島でも子育てしながら仕事を続け、現在は、都内のコワーキングスペースにリュック姿で現れ、iPadと小道具を駆使してイラストを描いています。フリーランスのイラストレーターとして働くために必要なネット環境や、仕事と子育ての両立についてお聞きしました。

画像:山本ゆうか

PROFILE

山本ゆうか
東京都在住で、5歳と2歳の子どもを育てるワーキングマザー。2010年にイラストレーターとして活動を始め、2013年から3年間、伊豆大島で暮らした時期も仕事を継続した。イラストは個性的で、家族との日常生活にヒントを得たストーリー展開ができるのも彼女の強み。「さまざまな要望に適切かつ迅速に対応してくれる」とクライアントの評価も高い。

会社勤めをしながら出版社にイラストの持ち込みを始める

子どもの頃から絵を描くのが好きで、中高生のときは、絵の好きな人同士で教室の片隅に集まって、コソコソと描いていました。でも美大を出たとか、イラストを誰かに教わったという経験はありません。情報系の学校を卒業して、ふつうの会社員として3年半ほど働きました。でもそうやって働きながらも、次は絵の仕事をしようと、なんとなく決めていましたね。

出版社に少しずつイラストを持ち込み始めたのは、会社を辞める半年くらい前からです。持ち込みというのは、A4用紙に何枚か絵を描いて、自分の絵のファイルを作って、出版社に持ち込むことです。現在も刊行されていますが、当時『○○になるにはBOOKS』というのを読みまして。私はイラストレーターになりたかったので、「持ち込んだ絵が編集者に気に入ってもらえたら、仕事がもらえることがあるらしい」とその手の本に書いてあったのを覚えていたんです。また、他のイラストレーターの個人ブログを見ても、持ち込みをしたと書いてあったし、ホームページで絵を公開するだけでは誰も声をかけてくれないと思っていたので、積極的に持ち込みをしました。

フリーランスのイラストレーターになる

写真:山本ゆうかさんインタビューの様子

イラストの持ち込みをして、いろいろな編集者のコメントや反応を見ているうちに、これならイラストレーターでもやっていけるだろうと思ったので、会社勤めはあっさり辞めました。そんなに計画性があったわけではなく、「まず辞めて、それから考えよう!」みたいなノリでしたね(笑)。 私の夫は、私がフリーランスのイラストレーターに転身することについて理解を示してくれました。同郷の島根県の出身で、学校も同じで、長いつきあいですから、私のやりたいことがわかっていたんでしょう。そういう人でなければ、おそらく結婚しなかったと思います。

会社員を辞めて、その翌年からはイラストレーターの個人事業という形で開業届を出して青色申告に切り替えました。最初からたくさん仕事がもらえたわけではありませんが、私のイラストを気に入ってくれた取引先から再び依頼があったりして、少しずつ仕事が増えていきました。それでも、ちょっとヒマになると不安になったり、あまりにも稼げなかったら、ふつうに再就職しようと思ったりすることもあります。そういう意味では、ある程度家計に貢献するくらい稼ぐということは、フリーランスで仕事を続けていく上で大事なことかもしれません。

インターネットがあれば、離島でも仕事はできる

夫の転勤で伊豆大島に移住したのは2013年4月です。すでにイラストレーターとして活動をはじめていたので、東京と同じように離島で仕事が続けられるかどうか心配でした。でも、インターネット回線が敷かれていたので、画像などの大容量データも送信できる環境にあったのは本当にありがたかったです。インターネットが通っていなければ、CD-ROMに画像ファイルを複製して郵送することになったのかもしれませんが、どうなっていたか、ちょっと想像がつきません。

当時はSkype ミーティングも今ほど盛んではなかったと思いますが、たまたま私が関わっていた仕事は編集委員の方が全国にいて、毎回どこかに集まるのは難しい状況だったので、定例会議ではSkypeが使われていました。そういう意味では、離島に住んでいる自分だけが打ち合わせに出られなくて困った、というようなことはなかったです。

写真:伊豆大島での生活は、WEBメディアでも公開。60回にわたり連載されました。
▲伊豆大島での生活は、WEBメディアでも公開。60回にわたり連載されました。

背中にiPadの入ったリュック、両手に子ども

東京から伊豆大島に引越したとき、長男は10カ月でした。長女は3歳年下で、島で生まれました。島に住んでいた頃は、自宅で仕事をしていたので、朝、保育園に子どもたちを預けて、自宅に戻って仕事をし、夕方5時ぐらいに迎えに行くという生活をしていました。子育てを理由に仕事を断ることは、まずありませんでした。でもさすがに、子どもを産んだ次の日に電話がかかってきた時は断りましたけど、今だったら産院のベッドの上で iPad でやってしまうかもしれませんね(笑)。 私はイラストレーターの仕事が好きでやっているので、絵を描くこと自体に苦はないです。授乳しながら描いたり、スイングベッドを足で揺らしながら描いたりしたこともありました。

写真:普段の子育ての様子は、SNSにも。
▲普段の子育ての様子は、SNSにも。

2016年3月に東京に戻り、現在5歳と2歳になった子どもたちは、都内の保育園に通い、私は月曜日から金曜日は、基本的にコワーキングスペースで仕事をしています。背中のリュックにiPadをはじめとした仕事グッズを入れ、両手に子どもを連れ、金曜日には保育園から2人分のシーツも持ち帰ります。伊豆大島では、子どもがひとりで外に遊びに行っても、集合住宅の庭や公園で、子どもたちの様子を見てくれている人が誰かいたので安心でしたが、東京で同じようにするのは不安なので、子育てが少し大変になったところはあります。でも、島にいたときに比べると、長男がだいぶ大きくなって妹の面倒をよくみてくれますし、私が仕事をしている週末などは、夫がさりげなく子どもを連れだして遊んでくれたりします。私は掃除や洗濯とかは好きですが、料理はあまり得意ではないので、夫がやってくれると嬉しいです。

仕事を始めるにあたってのハードルは高くない

湯水のように絵のアイデアが湧いてくるわけではないので、話題になっているテレビや映画はなるべく見るようにしています。去年テレビで『けものフレンズ』がはやった時には、途中から見始めました。映画『バーフバリ』は、コワーキングスペースの人が絶賛していたので、深夜の上映時間でしたが、子どもの世話を夫にお願いして観に行きました。

本当に仕事の依頼が来るかどうかは別として、イラストレーターでもライターでも、リモートワークを始めるにあたってのハードルはすごく下がっていると思います。家にインターネットがない人はまずいないでしょうし、パソコンかタブレットに10万円くらい投資して、始めようと思えばすぐ始められる。そういう意味では、おおげさに構えずに挑戦するのも悪くないと思います。

仕事道具もどんどん小型化して、簡単に持ち運びができるようになったので、私のようにリュック1つでコワーキングスペースに通うのはもちろん、実家に帰っても、あるいは海外に行っても仕事はできると思います。また最近、取引先とLINEでやり取りをするケースも出てきました。LINEだとビジネスメールほど改まった書き方をしないし、資料として送られてきた写真や動画を見たらすぐに返事をするという点で、コミュニケーションの方法が変化して、さらにスピードが上がってきたなと感じます。

写真:チエネッタ新連載の山本さんのイラスト
▲チエネッタ新連載の山本さんのイラスト

【コラム1】山本さん必携のお仕事グッズ

写真:山本さん必携のお仕事グッズ

山本さんのリュックの中身を見せてもらいました。iPad とポータブルキーボード、Apple Pencil 、描画用の2本指グローブ、落書き用ノートとペン、手帳です。これらを入れるリュックも、形や大きさにこだわって選んだそうです。

仕事道具を軽量化したいと思いつつも、自分の気に入るアプリがないときは、液タブ(液晶ペンタブレット)に描いていたそうですが、昨年末にiPadで使える待望のアプリが出たので買い替えたとのこと。それでも最初のうちは、以前と書き味が違うことに戸惑い、液タブに戻すことも検討したそうですが、画面に保護フィルムを貼ってみたら案外簡単に問題は解消したそうです。その後も細かい工夫を重ねたところ、基本的に iPad で下書きから仕上げまでできるようになり、そのまま取引先への送信も可能になりました。「山本さんは、仕事を早めに仕上げてくれるので、いつも助かっている」と担当者から高評価を受けているそうですが、このようにiPad 1台で完結していることも、山本さんの仕事のスピード向上に貢献しているかもしれません。

【コラム2】コワーキングスペースって、どんなところ?

写真:コワーキングスペースって、どんなところ?

山本さんは、子どもを保育園に預けてから、コワーキングスペースで夕方まで過ごします。山本さんの利用しているコワーキングスペースは、大型の平机がたくさん置いてあり、登録している人は、空いている場所に自由に座れます。朝、入室すると 「今日は、あの人があそこに座っているな」などと思いながら、部屋全体を見回して、その日の気分で座る場所を選んでいるそうです。

「家にいると家事をしたくなったり、細々したことが気になったりするけれど、コワーキングスペースはサボりにくいというか、みんな仕事をしているから自分も真面目にやろうという気になります」と山本さんは言います。さまざまな業種の人と情報交換できるのも大きなメリットだそうです。

【コラム3】山本ゆうか流の子育てはインターネットとともに

5歳と2歳の子どもを育てている山本さん。近年は、子ども向けの番組が夜に放映されないこともあって、Amazonプライム・ビデオで動画を見せたり、YouTubeも割と自由に見せているそうです。また近い将来、プログラミング教育が小学校で必修化されることを見越して、子ども向けのプログラミングアプリをやらせたいと思い、最近アプリをインストールしたそうです。
「これからの時代は、コンピューターをうまく使うスキルが求められる時代になると思います。お仕事の関係でよく聞く話ですが、AIなどが発達していくと、今ある職業もなくなったりするでしょう。プログラミングには論理的な思考が必要で、順序立てて考えないとできません。私はそういうことに苦手意識があるけれど、子どもには小さいうちから触れさせておきたいです」 と語っていました。

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チエネッタ編集部

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