リモートワーク、オンラインゲーム、スマートフォンのWi-Fiなど日々の仕事や暮らしで安定して高速な光回線が求められています。
光回線を選ぶなら、「NTT西日本品質」という選択を。
審査22-956-1
公開日:2020.03.12
みなさんは使わなくなったパソコンやスマートフォンなどをどうしていますか? なかには、フリマアプリやネットオークションなどで出品を考えている方もいるかもしれませんが、端末を手放す際はデータを十分に消去してからでないと個人情報が流出してしまう可能性があります。
そこで今回は、情報セキュリティー・情報漏洩対策の専門家である新倉 茂彦(にいくら しげひこ)さんに、情報を流出させないために日頃から心がけるべきことや、データ消去の具体的な手順について伺いました。
<目次>
1 身近に起きているスマホやパソコンの情報漏洩
2 「ゴミ箱を空にする」・「初期化」でデータは消せない!
2.1 パソコンのデータ消去は消去ソフトを使用する
2.2 外付けメディアのデータ消去は専用の消去ソフトを使用する
2.3 iPhone・iPadのデータを完全に消去する方法
2.4 Android・Android搭載のタブレットのデータを完全に消去する方法
3 日常的にセキュリティー状況の見直しを
PROFILE
新倉 茂彦(にいくら しげひこ)
有限会社ティーシーニック代表取締役。セキュリティプロデューサー M.B.A. 経営情報学修士 / 密教学修士。イベントのコーディネーターを12年経験後、コンピューターネットワークセキュリティーの論理的分野と物理的セキュリティー分野で経験を積む。現在はリスクマネジメントの視点から情報漏洩対策、セキュリティー分野で活動中。
――「情報流出」というと2019年12月に神奈川県庁で使用されていたHDDから個人情報が流出したという事件が記憶に新しいですが、こういった情報の流出というのは私たちの身近でも起き得るものなのでしょうか?
そうですね、身近なレベルで起きることと捉えていいと思います。ニュースで耳にするのはあくまでも発覚したものだけであって、氷山の一角です。知らない間に漏れている情報は山ほどあるので、日頃から「データは漏れる」という認識でいることが大事だと思います。
――「データは漏れる」......。そう言われるとヒヤッとしますね......。
神奈川県庁の流出は自分では管理も何もできない場所で起きた事件ですが、自分の持っている端末からの流出については自分でどうにかできるわけです。だから、破棄や譲渡など端末を手放すときには必ずデータ消去をすることが大切なんです。そして、情報漏洩について対策をするときは、自分でも「攻撃側の視点」を持つことがポイントになります。
――攻撃側の視点?
情報漏洩対策というと「守ること」を考える人が多いと思います。でも、とにかく守らなきゃという漠然としたイメージのままだと、何をどこまで守ればいいのかわかりにくいですよね。そこで役立つのが攻撃側の視点。「もし自分が人のスマートフォンやパソコンを手に入れて悪いことをするなら、あんなことも、こんなこともできるよな」と攻撃側の視点に立って考えるんです。
――たしかに、流出したデータがどう使われるかを攻撃側に立って想像することが、自分がどういった防御をすべきかにつながりますね。これは目から鱗です!
攻撃側に立って想像したことがすべて自分に降りかかってきたら......と考える。それが結果的に、端末を手放すときだけではなく、個人情報の閲覧にはきちんとパスワードをかけようとか、そういった日頃の意識につながるんです。攻撃側の視点で考えることはセキュリティーの基本です!
――実際に自分でデータ消去をしようと思ったら、「ゴミ箱を空にする」をすれば消えるのでしょうか?
それではデータは消えません! みなさんの身の回りにある実際のゴミ箱を想像してみてください。ゴミ箱にゴミが溜まっていますよね。で、そのゴミをビニール袋に入れてゴミ捨て場に出すわけですが、やろうと思えば後からでも追いかけて袋を広げて中身が確認できちゃいますよね。「ゴミ箱を空にする」とはあくまでもそういう状態なので、それでデータを消去できた気になってしまうのは危ないですね。
――では、その一段階先の「初期化」ならどうでしょう? 「初期化」と聞くと、購入時のまっさらな状態に戻るイメージがあります!
初期化は、本でいう「目次」を消しているだけなので、表面上はきれいになったように見えても、実はデータが中に残っている状態です。だから、するかしないかは別として、「初期化してデータが消せた!」と思って人にあげてしまうと、誰でも専用のソフトを使えば元のデータが簡単に復元できてしまうんですよ。
――「ゴミ箱を空にする」も「初期化」もデータを完全に消去することはできないんですね......。それでは正しい消去方法を教えてください!
パソコンを購入したときに消去ソフトが付いていた場合は、その消去ソフトを使用すればデータをきちんと消すことができます。データ消去のためのソフトは「完全抹消」「完全消去」といった名前になっているはずです。同じく購入時に付いてくる「初期化」のソフトと間違えないようにしましょう。
――例えば、消去ソフトが付いていない昔のパソコンを使っていたり、ソフトを無くしてしまったりという場合はどうしたらいいのでしょう?
お店で購入できる有料ソフトやネット上に無料ソフトがあるので、それらを使えば消せます。 ただ、フリーソフトの使い方に不安があったり、完全に消去できるか自信がなかったりする場合は、有料でも専用の消去ソフトを買ってソフトにお任せの状態でデータ消去をしていく方が安心だと思いますよ。
――DDやUSBなどの外付けメディアに入っているデータを消したいときはどうすればいいですか? パソコン用の消去ソフトがそのまま使えたりするのでしょうか。
いえ、パソコン用の消去ソフトは、外付けメディアのデータ消去に使うことができない場合があります。外付けメディアのデータを消したいときは、大抵はPC用の消去ソフトを買うと外部接続メディア向けの消去ソフトがセットになっていることが多いので、そういった専用のソフトを使うといいでしょう。
iPhone、iPadなどのiOS系は「ファクトリーリセット」と呼ばれる工場出荷時の初期状態にすればデータを完全に消去できます。リセット画面内の「すべての設定をリセット」はあくまでも表面上の消去に留まるものなので間違えないようにしましょう。
◾完全にデータを消去するまでの手順
1.『設定』
2.『一般』
3.『リセット』
4.『すべてのコンテンツと設定を消去』
5.パスコードを入力
6.『iPhoneを消去』を2回タップ
フリマアプリやオークションなどの個人売買で手放すときは、売る前に自分できちんとリセットするのを忘れないようにしましょう。よほど古い機種の場合は市場価値も高くないはずなので、売らずに手元で保管しておくのも一つの手だと思います。
AndroidのOSバージョン5以降(2014年11月以降)であり、端末が暗号化されている、または暗号化を有効にした状態であれば、下記手順から工場出荷時の初期状態にすることができます。
◾完全にデータを消去するまでの手順(※機種や設定によって異なる場合があります)
1.『設定』
2.『システム』
3.『リセットオプション』
4.『すべてのデータを消去(出荷時リセット)』
5.『すべてのデータを消去』
また、会社から支給された社用のスマートフォンを使っている人は、退職などで返却する際、必ずデータを消去してから返却すべきなのかを会社側に確認するようにしましょう。データを消去する場合は上記の手順で消去します。データは消さずに返却という指示がある場合は、万が一、プライベートな使い方をしていると、その情報が残ったまま会社側にスマホが渡るということにもなりかねませんので、日頃の使い方にも注意が必要です。
情報セキュリティー・情報漏洩対策の専門家にお聞きした内容をまとめました。
◾「ゴミ箱を空にする」「初期化」ではデータを完全に消去することはできない
◾パソコンのデータ消去は消去ソフトを使用する
◾スマホのデータ消去はファクトリーリセットで対応
「情報漏洩対策ってなんだか複雑そうだし、ちょっと面倒......」なんてイメージを漠然と抱いていた方も、新倉さんの語る「攻撃視点」の立場で想像すれば、自ずと何をすべきかが導き出されるはず。そして自分でできる範囲の対策がきちんと自分を守ることにつながります。みなさんもこれを機に現在のセキュリティー状況を見直してみてくださいね!
リモートワーク、オンラインゲーム、スマートフォンのWi-Fiなど日々の仕事や暮らしで安定して高速な光回線が求められています。
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