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公開日:2022.03.24

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【わかりやすく解説】メタバースって何ですか?

【わかりやすく解説】メタバースって何ですか?

最近ニュースなどで「メタバース」というキーワードをよく見かけるようになりましたが、何だかややこしそうです。一体どんなもので、何をするのですか?VRとは違うのでしょうか?

A. メタバースとはインターネットを利用した「仮想空間」で交流やサービスを楽しむ場所です

■仮想空間=メタバース?

仮想空間は「電脳空間・サイバースペース」とも呼ばれ、かつては「インターネット」そのものや、インターネットを介したネットワーク上の交流場をあらわす言葉でした。

名前も姿も知らない相手と掲示板やメールを通じて交流したり、テレビや本では得られない情報を目にしたり。インターネットにつながったパソコンの画面に映る世界は、テレビ番組やドラマ、映画作品とは一線を画した夢のような仮想空間だったのです。

現代においてインターネットは重要なライフラインとなり、現実世界と地続きのデジタルサービスとなりました。
そんな中、世界規模で注目を集めているのが「メタバース」です。

■メタバース(metaverse)

メタバースとは、英語の「超越(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語

メタバースの由来は1990年代に発表されたSF小説に登場する架空の仮想空間サービスです。現代において推進されるメタバースの概念は新しく、共通認識が曖昧で方針の具体性・明確な定義が存在しません。そのため、さまざまな企業が「メタバース事業」という大きな括りで仮の定義を設け、メタバースの方向性を探っている段階です。

2022年時点のニュース記事や特集では、一般的に「アバター(操作キャラクター)が自由に活動できる仮想空間サービス」として捉えられています。
メタバースというキーワードから近未来的な印象を受けるかも知れませんが、駅広告やテレビCMにも登場するVtuberやバーチャルアイドルも、メタバースの在り方の1つと呼べるでしょう。

一口にメタバースと言っても、個人的に自宅のパソコンやスマートフォンで楽しめるものから、事業用に最新の設備環境を必要とするものまで、利用できるサービスはさまざまです。

メタバース事業が急激に拡大した要因の1つは、世界的なパンデミックが挙げられます。
ロックダウンや外出自粛によって中止・延期となったイベントを復活させ、経済活動の継続を目的として多くの企業がメタバースの持つ可能性に期待を寄せています。

■メタバースの身近な例

メタバースの世界は一方的に視聴するテレビや映画と異なり、自分自身も「アバター」として存在することが重要な特徴です。現実世界で生きるアナログの自分に代わる、仮想空間に適した形式で自分の分身を作り出します。

メタバースとアバターについては、前述のVtuberやゲームなどを意識する人が多いのではないでしょうか。アバター(操作キャラクター)で他のキャラクターと交流したり、ゲーム内の土地を開拓したり、仲間と一緒に冒険したり、ジャンルによってさまざま世界観に没入して楽しめるのが魅力です。

なお、意識されない例として、SNSもメタバースの一種です。SNS上では本名と顔写真を公開して活動する人、匿名・仮名と好きなアイコンで交流する人、名前も喋り方も変えて別人のように振舞う人など、形を変えてネットワーク上で自由な交流を楽しむ姿が見られるでしょう。

仮想空間と現実世界を融合させたメタバース観は、ドラマ・映画・小説・アニメ・ゲームなど、さまざまなジャンルで描かれています。 何らかの技術や超次元的な理由によって、別世界・別次元とクロスする不思議な世界観や、非現実的でありつつも視聴者へリアリティを感じさせる物語は、時代を超えて愛されてきました。

近未来の技術によって現実には存在しない存在とコミュニケーションを取ったり、ホログラムによって室内や市街地の外観・天気を自由に変更したり、アバターのように服装・メイク・髪色を即座に変化させられたり、独特の世界観やテクノロジーに影響を受けた人も多いのではないでしょうか。

こうした「いつか実現できるかも知れない」という壮大なメタバースの世界は、「AR(拡張現実)」・「VR(仮想現実)」・「MR(複合現実)」などの最先端技術によって実現化されつつあります。

■メタバースと最新技術のかかわり

「VR・AR・MR」はいずれも仮想空間のデジタル情報を現実において再現・体験させる技術です。
昨今ではさまざまなジャンルで各技術を複合したサービスが増え、現実と仮想を融合させる先端技術は「XR(クロスリアリティ)」と総称されるようになりました。

■XR(Extended RealityまたはX Reality)

現実世界と仮想空間を融合させる先端技術のこと
仮想現実を作るための映像処理技術の総称で、「xR」と表記される場合もある

1990年代にはすでにVR・ARなどのユーザー没入型メディア事業を手掛ける企業もありましたが、ネットワークの構築と普及が世界的に優先されたことにより、国内外においてXR事業の開発は一時的に失速しました。

現在はデジタルコンテンツを提供しやすい環境が整い、6年後に100兆円規模の巨大事業になることが見込まれるメタバースは、XR技術とともに急ピッチで開発が進められています。

機器利用

■各業界とメタバースへの取り組み

現在の情勢下で往来や大人数の集まりが制限されることから、各企業の取り組みは加速化しています。

昨今、音楽業界ではライブ配信やアーカイブ・オンデマンド配信が定着していますよね。
そこにメタバースの概念が加わって、現在はバーチャルライブ上でファン同士がアバターとして参加し、チャットやモーションで声援を送ったり、独自のグッズを入手できたりするなど、新しいライブへの取り組みが進められています。

また、国内企業におけるメタバースの実用例として、メタバースのプラットフォームを利用し、アバターによるモーションでの採決と電子サインを用いて世界初の「VR社員総会」に成功したことも話題を呼びました。
コロナ禍で自粛を余儀なくされた観光業界・冠婚葬祭業界も、ステイホームの形式を保ちつつ遠方から参加・参列できるよう、メタバースを取り入れたサービスの開発に乗り出しています。
一時期「VR内見」で話題となった不動産業界では、アバターとなって仮想空間に歩き、未竣工物件の完成イメージについて相談できるサービスを導入した企業もあります。

不動産

医療業界においても、外科手術・治療に関する遠隔施術やシミュレーションの他、患者のメンタルケア・治療においてメタバース技術の導入が進められています。

医療

他にもメタバースサービスの独創的な事例として、ユーザーの声や映像を取り込みAI(人工知能)に思考や言動を学習させた「デジタル人格」を創造する技術開発などが報告されています。
近い将来、メタバース空間上にアバターとして人格を再現することで、現実に存在する「今の自分」と、アバターとなった「過去の自分や友人、家族」がオンラインで交流できる日も訪れるかも知れませんね。

全米民生技術協会(Consumer Technology Association、通称CTA)が主催する電子機器展示会CES 2022では、あらゆる分野の発表において「メタバース」のコンセプトが掲げられました。
まだまだ発展途上のメタバース業界ですが、今後あらゆる分野と場面で活用され、日常生活の中でその一端に触れる機会も増えてくることが予想されます。

最新のメタバース事情について積極的に情報収集を行なうことで、体験したくても時間的な都合で諦めていたイベントや、勇気が出ずに諦めていた体験にチャレンジできる可能性があります。
気になるキーワードとメタバースを組み合わせて、定期的にインターネット上で「こんなサービスはないかな?」と検索してみてはいかがでしょうか。

最先端技術とたゆまぬ企業努力によって、昨年までは不可能だったことも、いつのまにかメタバースの世界で実現しているかも知れません。


※この記事は2022年3月24日現在の情報です。

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チエネッタ編集部

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