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公開日:2018.03.30

連載子育てデジタルシフトを考える

vol.03

これが未来の教室のカタチ ICT×アクティブ・ラーニングの現場に潜入!(前編)

写真:これが未来の教室のカタチ  ICT×アクティブ・ラーニングの現場に潜入!(前編)

シリーズ「子育てデジタルシフトを考える」3回目は、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用した教育モデルづくりに取り組む京都聖母学院小学校を取材しました。全児童がiPadやノートパソコンを使用した、最先端の授業を行っています。

連載ではここまで、子育てにデジタルをどう取り入れていくべきか、さまざまな視点から見てきました。ICT教育への取り組む子どもたちの姿からは、どのような未来が見えてくるのでしょうか? 授業レポートと先生方へのインタビューでお伝えします。

1年生からひとり1台。つながる校内ネットワーク。
20年以上の歴史を持つ、京都聖母学院小学校の情報教育

京都聖母学院小学校が、コンピューター室を設置したのは1991年のこと。2000年代前半には学内にLANを導入し、情報教育に取り組みはじめました。2015年には、全教室でインターネットに接続してもストレスなく利用できるように無線LAN環境を整備。本格的なICT教育モデルの確立に乗り出しました。

「総合コース」では、1〜4年生まではコンピューター室で「情報」の授業を実施。タイピングなどの基礎操作から初歩的なプログラミング、コンピューターを介したコミュニケーションのマナーなどを段階的に身につけます。英語の授業時間の多い「国際コース」では、「情報」の授業の代わりに、入学時に「iPad」を購入。「算数」に「社会」、日々のあらゆる学習のなかで教材アプリケーションを活用しているのだそう。

まずは、iPadを活用した「国際コース」1年生の授業から見学してみましょう。

デジタル機器やプログラミング学習は、
子どもたちの学びに対する"自主性"を促すツールに

写真:楽しそうにタブレットを操る生徒たち

「国際コース」のこの日の授業は「算数」。授業で導入されているアプリは、図形を学ぶ「Geoboard」、時計の仕組みや読み方を学ぶ「Telling Time Quiz」のほか、東大卒チームが手がけた、思考センス育成教材「Think!Think!」などを活用しています。楽しそうにタブレットを操る姿は、一般的な教育のデジタル化のイメージに近いのではないでしょうか。

写真:タブレットを操作する生徒

ほかに、たとえば音楽の授業のためには合唱の練習ができるアプリも導入されているとのこと。ただの遊びで終わらないように、従来の授業に部分的に導入されていますが、子どもたちは新しいもの好きで、さらにタブレットはおもちゃを触る感覚に近いため、自主的な姿勢が以前とは違うようです。iPadは児童たちの持ち物なので、自宅でも自由に使うことができますが、インストールするアプリは限定するなどのセキュリティー対策は施されているそう。

写真:笑顔でパソコンを操作する生徒

次に、コンピューター室で行われている「総合コース」3年生の「情報」の授業も見せていただきました。3年生にもなると、パソコンの扱いも手慣れたもの。「Scratch(スクラッチ)」によるプログラミング学習が始まっていました。

写真:ディスプレイを見ながら話している二人の生徒

Scratchは、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボが開発した、初心者向けのプログラミング言語学習環境。動かす対象や、対象に向けた指示などがあらかじめ用意されていて、決められたフィールドでそれらの項目を組み合わせるだけで、アニメーションやストーリー、簡単なゲームをつくることができます。すでに小学校でのプログラミング学習で多く採用されています。前回(※連載第二回へリンク)の連載でもあったように、プログラミング言語を学ぶのではなく、コンピューターの仕組みの理解、論理的な思考力が磨かれる授業です。

写真:パソコンを操作している生徒が驚いた様子の表情をしている。その横には笑顔の生徒。

この授業では4コマ漫画を作成。ストーリーに沿って背景やキャラクターを選び、セリフや動きをプログラムしていきます。友だちと相談しながらストーリーを考える子、自分の考えたストーリーにこだわる子。想像力を広げながら、感覚的にプログラミングを学んでいく姿が印象的でした。

小学生が「クラウド」で共有した「スライド」で議論・プレゼンする授業!?
ICT教育モデルの最先端「ICT×アクティブ・ラーニング」

写真:アクティブ・ラーニングの様子

京都聖母学院小学校では、教員と児童、児童同士が対話を通じて主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」を行っています。そこにICTを掛け合わす契機となったのが、2016年11月の「Dell Chromebook(以下、Chromebook)」導入。約500台を、5、6年生の授業で活用されています。

Chromebookの特長のひとつは、すべてのデータをオンラインストレージ「Googleドライブ」に保存すること。IDとパスワードを入力すれば、どの端末からでも自分のデータにアクセスできます。また、教室全体でリアルタイムな情報共有が行えるので、教師からの指導、児童による発表どちらもスムーズなのです。

写真:G Suite for Educationを操作する生徒

授業では、Googleが教育機関向けに無償で提供する統合型アプリケーション「G Suite for Education」を使用。いわゆる教育向けアプリではなく、テキストやプレゼンテーション用スライドなど私たち大人が日常的に使っているビジネスアプリを、児童たちが使いこなしている光景は、ちょっと目を疑っちゃいますよね......。

この日の授業は「国語」。授業のテーマは「1枚の写真から想像力を広げる」というもの。先生がスライドに用意した桜の写真を"手がかり"に、8分間で「人物」「場所」「時間」「気持ち」の4つの設定について好きなように書き、ひとつの物語に仕立てるという、発想と、それらを組み立てる思考力が求められる授業です。

写真:食い入るようにひとつの画面を覗き込む4人の生徒

それぞれ思案の時間を終え、先生からグループで見せ合って意見を出し合ってくださいと指示があると、これがICT×アクティブ・ラーニングか!と、醍醐味を見せ付けられるような光景が。食い入るようにひとつの画面を覗き込むグループ、友だちの作成したファイルを各自の画面で見ながら話すグループ、立ち上がって発表する児童を囲んで議論を始めるグループも。

写真:真剣なまなざしで話し合う3人の生徒

協力し合いながら、それぞれのストーリーをどんどん膨らませていきます。気づけば教室のあちらこちらがヒートアップしていてすごい熱気! 爆発する児童たちの自主性と、Chromebookが見事にマッチしているように映りました。

写真:先生の問いかけに手を挙げる生徒たち

「みんなできた? 自分のつくった物語をみんなに聞いてもらいたい人は?」と、先生が呼びかけると、すぐに何人かの手がまっすぐに挙がりました。同じ一枚の写真を見ていても、生まれてくる物語はまさに十人十色! 卒業式や入学式の物語もあれば、重病の先生と児童たちが10年後に再会し先生の無事を喜ぶなんて濃厚なストーリーも! 

写真:2016年11月に導入された約500台の「Dell Chromebook」は、主に5、6年生の授業で活用されている。授業が終わると児童自ら片付けも行う。
2016年11月に導入された約500台の「Dell Chromebook」は、主に5、6年生の授業で活用されている。授業が終わると児童自ら片付けも行う。

個人での作業から、グループでの相談、全員へ向けてのプレゼンテーション。一連の流れの中では、図やフォントを自在に操りながら個性を発揮し、人の意見に耳を傾け、さらにはまとめたアイデアを出し惜しみなく共有します。デジタルならではの自由度の高さやまとめやすさを駆使しつつ、これまで個人的なものと捉えられていたノートをクラス全体で共有したり、ノートの修正を教師ではなくクラスメイトが行うことも頻繁で、学習姿勢の根本的な考え方が変わってきている様子。後編では授業を行った先生に、その秘訣を聞いてみました。

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チエネッタ編集部

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