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公開日:2024.12.25

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「生成AI」とは? 従来のAIとの違いや便利な使い方と注意点

勉強をしているロボットのイメージ

近頃、AIという言葉をよく耳にしませんか?AIとは「Artificial Intelligence」の略称で、日本語では「人工知能」を意味します。
AIの中にもさまざまな種類のAIが存在しており、そのうちの一つである「生成AI」は普段の生活や仕事で使用される機会が増えてきています。今回はそんな話題沸騰中の「生成AI」がどのようなもので、どのような用途で使われているのか、「従来のAI」との違いや便利な使い方と注意点もご紹介しますね。

1「生成AI」とは?

検索エンジンでGenerative AIと検索しているイメージ

「生成AI」とは、「Generative AI」とも呼ばれており、文章や画像などのコンテンツを、まるで人が創作したかのように生成できるAIのことです。文章や画像生成などに関しては、ビジネスシーンや日常生活にも活用され始めています。

「生成AI」が生み出すコンテンツの種類は文章や画像に限りませんが、本記事では文章や画像を生み出す「生成AI」をメインにご紹介していきますね。

2「従来のAI」とは何が違うの?

頭に?のある疑問を感じている人イメージ

今までもさまざまなサービスにAIが使用されてきましたが、「従来のAI」と「生成AI」ではどのような違いがあるのでしょうか。

画像認証のイメージ

「従来のAI」は、大量のデータを分析し、「分類」や「予測」をしていました。例えば、右の画像のような何らかのサービスにログインするときに出てくる「画像認証」などは「従来のAI」が大量のデータから分析し、AIと同じ「分類」をした画像を選ぶことで認証できるというものです。一方、「生成AI」は学習したデータの「パターン」をもとに、新しいものを生み出すことが可能で、下の画像のような対話形式での使用が一般的です。

生成AIへ画像制作の依頼をしているイメージ

また、「従来のAI」と「生成AI」の大きな違いは学習方法にあり、「生成AI」は「ディープラーニング」と呼ばれる学習法を用いています。
これは人の考え方を模倣して作られた「ニューラルネットワーク」を多層化して、複雑なデータのパターンを学び取ることができる方法です。そしてこの「ディープラーニング」によって、「生成AI」はより高度で人間らしい独創性を発揮します。

ディープラーニング」や「ニューラルネットワーク」などの専門用語で説明もできますが、「生成AI」を簡単に言えば「多くの人の意見を取り入れて新しいアイデアを出す」と、考えていただければわかりやすいでしょう。一方、「従来のAI」については、「図書館で大量の情報を調べて答えを出す」ことと考えていただくと、その違いがよりイメージしやすくなると思います。

主な違いについては、次の通りです。

  従来のAI 生成AI
主な機能 与えられたデータに基づいて、分析・予測・判断をする 与えられたデータから学習して、新たな文章や画像などのコンテンツを生成する
学習方法 与えられたデータからルールやパターンを学習し、そのルールやパターンに当てはまる新たなデータを予測する 与えられたデータから複雑なパターンを学習し、そのパターンに基づいて新しいデータやコンテンツを生成する
活用例 メールのフィルタリング・画像認証・音声認証など 対話形式でさまざまなコンテンツの生成
従来のAIと生成AIのチャート図のようなイメージ

「従来のAI」がさまざまなサービスで使用されているのと同様に、今後は「生成AI」もさまざまなサービスに組み込まれていくことが予想されます。

そのため、これから使用者が増えてくると予想される「生成AI」のメリットとデメリットをしっかりと理解しておくことが重要です。

3「生成AI」のメリット・デメリットとは?

メリットとデメリットを並べているイメージ

「生成AI」のメリットとデメリットについては次の通りです。

【メリット】

・創造性の向上
「生成AI」は複雑なパターンを学習し組み合わせることで、新しいアイデアやコンテンツを生み出すことが可能となります。これは何かを創作する際に、一人で考えるときと比べて多様なアイデアやコンテンツの材料が豊富に存在するという点にも貢献しています。そのため、より新しいアイデアやコンテンツを生み出しやすくなります。

・作業の効率化
何かを調査する場合など、「生成AI」に依頼すると、代わりにさまざまな情報を調査して提供してくれます。これにより、自身で「情報を調べて考える」という工程を大幅に軽減することが可能となります。

・コストの削減
「生成AI」は人のような考え方が可能なため、人が必要であった作業を「生成AI」に任せることができ、人件費などのコスト削減に大きく貢献します。

【デメリット】

・情報の正確性
「生成AI」は人のような考え方をするため、誤った情報を正しいと間違って理解してしまうことがあります。これにより、作成されるコンテンツも誤った情報を含む可能性があります。

・著作権問題
複数の情報を組み合わせて新しいコンテンツを生成する特性上、著作権で保護されたコンテンツを誤って生成する可能性があります。

・依存性
「生成AI」は、これまで人が行っていた作業も実行する能力を持っているため、ユーザーは「生成AI」に依存しやすく、創造性の低下などの問題が生じる可能性があります。

・倫理観の乖離
いくら人のような考え方から学んでいたとしても、やはり人間と人工知能では、倫理観に差があるため、倫理的に不適切なものを生成する恐れがあります。
「生成AI」が人のような考え方から学習することは可能ですが、それでも人間とAIの間には必ず倫理観の差異が存在します。そのため、AIが倫理的に不適切な内容を生成してしまうリスクがあります。

メリットとデメリットを紹介してきましたが、次は便利な使い方や注意点をご紹介しますね。

4「生成AI」の便利な使い方と注意点

ロボットが指をさしているイメージ

「生成AI」の便利な使い方

① 文章作成
何かしらの資料を作成したり、取引先などにメールを送ったりする際に便利です。文章や表現の正確性を確認することは、校閲機能を用いてできますが、「生成AI」を利用すれば、「次の文章を取引先へ送るメールのように丁寧にして」や「次の文章をもう少しフランクにして」などの柔軟な要望が可能になり、希望通りの文章を作成できます。

② 学習
受験勉強や資格試験の学習などの補助にも非常に優れています。学習の分野においては、ほとんどの教科を網羅した万能な参考書となります。例えば、「素因数分解について、子どもでもわかるように教えて!」と依頼すると、子どもでも理解できる簡単な言い回しで回答してくれるため、柔軟な対応ができる教科書として利用できます。

③ コード生成
ホームページやWebアプリなどを作成する際のプログラミングに非常に役立ちます。本来はさまざまなプログラミング言語を勉強したうえでコード生成を行いますが、その過程はすべて「生成AI」に任せることができるでしょう。ただし、何も知識がない状態でホームページやWebアプリが作成できるわけではなく、仕組みや構造をある程度理解したうえでお手伝いしてもらいましょう。その仕組みや構造すらも「生成AI」に教えてもらうのもいいかもしれませんね。

いくつか便利な使い方を紹介しましたが、柔軟な対応が可能なのが強みと言えるでしょう。しかしながら、「生成AI」への伝え方も重要なため、使用には慣れが必要かもしれませんね。

「生成AI」を使用する際の注意点

① 信じすぎない
インターネットが普及してから「情報の正確性を確認しよう」というアドバイスが一般的になりましたが、これは「生成AI」でも同じです。「生成AI」はさまざまな情報をもとに新しいものを生成しますが、必ずしも正確な情報に基づいているわけではありません。

② 著作権に問題はないか確認する
「生成AI」は新しいコンテンツを生み出す際に既存の情報を複雑に組み合わせるため、著作権に問題が生じる可能性があります。特に「画像」や「音楽」を「生成AI」に依頼する際には注意が必要です。

③ 倫理観が不適切な場合がある
「生成AI」は人が選ばないような回答を示すこともあります。これは倫理観についての理解がまだ追いついておらず、改善の余地がある項目となります。

④ 頼りすぎない
「生成AI」を使用すると作業工程が削減されて便利ですが、依存しすぎるリスクもあります。「生成AI」が使えない状況で困ったり、個性や自主性が損なわれたりする可能性があるため、使う場合と使わない場合のバランスを保つことが重要です。

これらの注意点はありますが、今後も「生成AI」の利用機会は増えていくことが予想されます。
次は「生成AI」の今後についてご紹介しますね。

5「生成AI」の今後は?

コンパスがFUTUREという文字に針をさしているイメージ

現時点の「生成AI」の使い方は文章や画像の創作を依頼するのが一般的ですが、他にもさまざまな使い方が生まれていくでしょう。

ここまでの流れで予想されているかもしれませんが、「調べる」という行動も、「生成AI」の登場によって変わる可能性があります。例えば、外食で美味しいイタリアンを食べたい場合、次のような流れでお店を探すことが多いと思います。

① 検索エンジンで「〇〇市 イタリアン」のキーワードを検索
② 関連するWebサイトが表示され、その中からいくつかを閲覧
③ Webサイトの内容を確認し、お店を選ぶ

これはグルメサイトを利用する場合も同様で、関連キーワードを入力し、ランキング上位のお店をチェックすることが多いです。

しかし、「生成AI」を使うと「〇〇市で美味しいイタリアンのお店をURL付きで教えて」と伝えるだけで、美味しいお店の候補をすぐに教えてくれます。

また、「学習」の分野においては、人から教えてもらったり参考書などを読んだりして学んでいたのものが、「生成AI」を使用すると教えてくれる人や参考書などを準備する必要がなくなります。
そのため、「生成AI」を上手に使うことで「学習」のあり方も変わるかもしれません。

6「生成AI」を使うなら利用環境も整えよう!

街の上空に光回線が張り巡らされているイメージ

現在の「生成AI」は主にインターネット上で提供されているため、高速で安定したインターネット環境を整えることで、快適に利用可能となります。特に、「ディープラーニング」による複雑な学習をするにはインターネットの通信速度が重要です。

NTT西日本では最大概ね10G(ギガ)※1の「フレッツ 光クロス」を提供しています。
また、NTT西日本から光回線を借り受けてサービスを提供している光コラボレーション事業者の「コラボ光」からも最大概ね10G(ギガ)スペックのサービスが提供されています。

高速で安定性を追求したインターネットを提供するNTT西日本品質なら、大容量通信の環境を快適に過ごすことができるため、快適な通信環境にしたい方などにおすすめです。※2

※1 技術規格上の最大値であり、実効速度ではありません。なお、本技術規格においては、通信品質確保などに必要なデータが付与されるため、実効速度の最大値は、技術規格上の最大値より十数%程度低下します。インターネットご利用時の速度は、お客さまのご利用環境やご利用状況などによっては数Mbpsになる場合があります。ご利用環境とは、パソコンやルーターなどの接続機器の機能・処理能力、電波の影響などのことです。ご利用状況とは、回線の混雑状況やご利用時間帯などのことです。
※2 インターネットのご利用には、プロバイダーとの契約・料金が必要です。

7まとめ

ここまで「生成AI」について紹介しましたが、いかがでしょうか?聞いたことはあったけれど、実際に何ができるのか、今後どうなるのかが少しでもイメージできたのではないでしょうか。

「生成AI」はまだ発展途上の技術ですが、これからも成長していき、さまざまな産業に組み込まれることが予想されます。そのため、使用する際の注意点として「情報の正確性」や「著作権の問題」など、越えなければならないハードルがあるのも事実です。

また、「生成AI」に限らず便利なものは「正しく」使うことが非常に重要です。便利なものをうまく使いこなすことで、生活が豊かになることは間違いありません。今後も研究が進んでいく「生成AI」ですが、時代の波に乗り遅れないよう、しっかりと情報を追っていくことが大切です。

※この記事は2024年11月5日現在の情報です。

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チエネッタ編集部

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