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公開日:2019.05.14

大切な遺品を処分するのは忍びない...... 新たな使い手をメルカリで探したら、思わぬ展開になった話

大切な遺品を次に繋げたい!メルカリで祖母の遺品整理をした

お花を片手にみなさんこんにちは、京都や東京を行ったりきたりしながら編集やライターをしております、おかんと申します。
おかんはあだ名です。チエネッタ読者のみなさまご無沙汰しております!

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さて、唐突ですが、今回はうちの祖母の家を整理したときのお話です。


実は昨年祖母が亡くなりまして。祖母の家は歴史のある集落でして、ひと昔前までは冠婚葬祭の催しを家でおこなっていました。祖母の存命時から少しずつ片付けていたものの、ま〜モノが多い。特に食器。いまだに物置には茶碗が20個とか、湯のみが30個とか。「炊き出し?」と思うレベルの鍋が5個とか「宴会場?」と思うような皿が8枚とか。

親族たちで物置を掃除していた時、母がふーっとため息を吐いてひと言言いました。

「もう全部まとめて処分しよか」

ちょ、ちょっと待って......!ま、マジで......!?

せっかくまだまだ現役で使えそうなモノがたくさんあるのに......!?

祖母があんなに大事に使ってた品を、捨てちゃうの......??

そんなの......!

「アカ〜ン!!
思い出が詰まったものを捨てちゃうのは、
モノがかわいそうや!!」



埃っぽい物置で大説得。

とはいえ、自分たちで使いきるのも量的に限界があり......、アレコレ悩んだ結果、ひとつの妙案がひらめきました。
それは......

メルカリなどのフリマサイトへ出品して、大切に使ってくれる次の人に繋げる

というもの。

「ホンマにそんなん買うてもらえるんかいな......」と半信半疑な母をなだめ、やれることはやってみようということで、なんとか話は落ち着きました。

大切に使ってくれる人の元へ繋げることが、祖母の供養にもなるはず!!......とは言うもののの、果たして祖母の遺品に「欲しい」と思ってくれる人は現れるのか!?

1メルカリの売り方を学ぶ

画像:メルカリの売り方を学ぶ

今回は「より高額な価格で売れて欲しい」ではなく「遺品を自分の手で誰かの手に渡すこと」が重要なので、オークションサイトではなくフリマアプリ「メルカリ」を選択しました。

画像:メルカリ

メルカリの利点は、FacebookやGoogleのアカウントがあれば、それに紐づけて会員登録ができるところ。サイトによっては個人情報をイチから入力しないといけないので、それが結構面倒なこともありますもんね......。


過去の記事でもメルカリをテーマにした記事もありまして、

すでにメルカリでモノを売ったことがあるチエネッタ読者の方もいるかもしれませんが、あらためてメルカリでモノを売る流れは、ざっくりと以下の通り。

会員登録をする

「出品」ページに商品の写真や文章を挿入してアップする

売れたら商品を送る

出品者・購入者がそれぞれユーザーの評価をする


そしてメルカリ最大の魅力は「らくらくメルカリ便」ではないでしょうか。

画像:らくらくメルカリ便

「らくらくメルカリ便」とは、ヤマト運輸の配送(ネコポス/宅急便コンパクト/宅急便)を使ったメルカリ独自の配送サービス。

大きさに関わらず配送料が一律で、しかも匿名配送が可能というシステム。いまや「フリマサイト=メルカリ」という印象があるほどポピュラーになった背景には、このサービスが多くの人に支持されたからというのも大きそうです。

多くの人に支持されればそれだけ多くの人が出品し、多くの人がお客さんとして閲覧しにくる、この陽のループ......。きっと祖母の遺品も貰い手が見つかるに違いない!

2「売れやすい文言」や「欲しくなりそうな説明」をリサーチ

画像:「売れやすい文言」や「欲しくなりそうな説明」をリサーチ

出品の前に、どんな売り方をしているものが売れているのかリサーチしてみました。

なんとなく出品して買ってくれる人を待つよりも、積極的にお客さんが閲覧するページを作らなければサイト内には毎日膨大な数が出品されるのですぐに埋もれてしまいます。

「SOLD」と書かれたすでに購入者がいる商品ページを見比べていると、いくつか共通点に気づきました。

画像:「SOLD」と書かれたすでに購入者がいる商品ページを見比べていると

商品説明が丁寧!!

どんなメーカーなのか、どんな使われ方をしていたものなのか、中古品としての質から、活用方法のアイデアまで、わかりやすく表記しているものが目立ちました。

なかには「ご覧くださってありがとうございます」といったお礼までも。見ただけでお礼される優しい世界がこの世にあるなんて信じられる......??

祖母の生活や家の歴史が詰まった品々、大切に使ってほしい......!

そこで、丁寧な文章を心がけて商品ページを作ることにします。かといって長々説明しすぎて読むのがしんどくならない程度に!

出品で学んだ商品説明のHOWTO
▼遺品であることを伝える

亡くなった祖母の家に眠っていた商品であること、廃棄してしまうにはもったいない品が複数あること。価値に見合った価格を自分たちで考えて販売し、誰かの手に渡ってほしいという旨を商品詳細の前に加えました。

▼商品の大きさやキズの有無を明記する

これはメルカリに関わらず、ネットでモノを売る際には必須ですね。高さや直径、重量感のあるものは重さも書いてあげると購入者に優しいでしょう。モノによっては塗装がハゲていたり、材質にケバだちやキズが見られたのでそこも明記しておきます。食器などは、電子レンジの可・不可も忘れずに書いておきましょう!

▼活用のアイデアを付け加える

これは絶対ではないのですが、文章を作る際に「自分がお店を持っているとして、この商品を対面でどんなふうにアピールするか」をかなり考えました。湯のみには「どんなお茶が合うか」、お重箱には「中に布を敷いて、小物入れに使ってはどうか」など、購買意欲をそそるような活用アイデアを文章で提案しています。

3商品撮影は明るくきれいな背景で

画像:商品撮影は明るくきれいな背景で

文章も大切ですが、第一印象はやっぱり写真! 商品をきれいに見せるため、撮影では友人のお店を撮影場所に使わせてもらいました。

普通のお宅であれば、自然光の入る大きな窓やベランダのそばで商品を撮るといいと思います。

画像:お重箱

使用感やキズがあるものは商品説明に必要なため、写真に撮っておきます。

このお重箱の内側はお箸などでできたキズなどが細かく走っているので、フタをしたところ/取ったところを押さえました。

画像:柄はアップでアピール

柄などはアップでアピール!

お重、祖母が自分でおせちとか作ってた頃活用してたんだよな〜。家族の女衆みんな集まって、おせち仕込んでさあ〜〜〜ううっ。

画像:卵かけご飯を作ってみたり

商品説明に直径などの大きさは書きますが、より大きさをわかりやすく伝えるため、茶碗などは卵かけご飯を作ってみたり。

通常よく見られる茶碗とくらべて小ぶりなんですが、実際にものを入れて撮影すると大きさが把握しやすいですね。
これは出品作業をしていて、初めて発見したポイント。

出品で学んだ商品説明のHOWTO
▼写真はきれいな方がいい!

言わずもがなですね。膨大な数の商品が並ぶなか、目に留まるのはきれいな写真の商品という人も多いはずです。画像のきれいさでいえばデジタルカメラがベストですが、スマホのカメラでも問題ありません。商品のアップロードが手軽にできることを考えたら、スマホに分があるかと。

▼画像にはフィルターをかけない方がいい!

ついつい画像の写りが良くなるので、カメラアプリでフィルターを使ってしまいがちなのですが個人的にはあまりオススメしません。フィルターをかけた画像とかけていない画像では、やっぱり商品の色が変わってきてしまうので......。「画像はこんな色じゃなかった!」とお客さんの不満にならないためにも、商品の印象を大きく変えてしまうようなフィルターは使わない方がいいかなと思います。

自然光がいちばん色の干渉を受けなくていいですね。もし、室内の照明などで色味が実物と違う場合は「照明によって色の見え方が違います」と補足しておくといいでしょう。

▼キズや汚れはきちんと別撮りしておく

文章で「キズや汚れあり」と書いていても、実際それがどんなものなのか見ないとわかりません。お客さんが気にしそうなところは、商品全体の画像とは別にアップで写しておきましょう。

先述した「自分がお店を持っているとして、この商品を対面でどんなふうにアピールするか」という考えは、画像作成にも活かせますね。

画像:中腰で撮り続けていたので太ももがパンパンになりました

商品を中腰で撮り続けていたので太ももがパンパンになりました。

いい筋トレにもなってできあがったページはこちら。

画像:レトロな丸型のお重箱

4届け誰かの手元に!出品したら驚きの結果が!

画像:モダン柄/レトロな蓋つきお茶碗ペアセット
画像:モダン柄/レトロな蓋つきお茶碗ペアセット2

商品の撮影ができたら、商品説明のテキストと画像をアップロードして出品です!

画像:写真のサイズを調整するなどしていたので、パソコンで確認しています

写真のサイズを調整するなどしていたので、パソコンで確認しています。
やるだけのことはまあやったけど、ほんとに売れるんだろうか......。母に「絶対売れるから!」と豪語した手前、鳴かず飛ばずだったらヤバいな......。

とパソコンをパチパチ叩いていたら、数分前に出品した湯のみ茶碗に通知が。

画像:ひとめぼれです

ひとめぼれです。
ちょうど、お気に入りのお茶碗が割れてしまって、
新しいものを探していたので、ラッキーでした( *♡∀♡)
お取引、どうぞよろしくお願いします(●´ω`●)♡♡♡

画像:売れた!

!!!

売れた!!!

売れた!!!

画像:売れたよおおおお〜〜〜〜〜!!!

売れたよおおおお〜〜〜〜〜!!!!

まさかこんなに早く買い手がつくと思わなかったので、思わず花を持って踊ってしまいました。

画像:商品が売れたら早速取引!

商品が売れたら早速取引!

メルカリでは、購入者と出品者だけが使えるメッセンジャーが立ち上がるので、商品のやりとりはそこで行います。他の人には見えませんし、発送時のトラブルや遅れなどもここで会話ができるので便利。

画像:箱詰めをします

商品はプチプチや紙などの梱包材で包み(割れ物だったため梱包材の外側からタオルを巻きました)、箱詰めをします。

高さが5cm以内のものであれば、コンビニ(セブンイレブンなど)で購入できるヤマト運輸の宅急便コンパクトの箱が便利です。大きささえ合えばわざわざヤマトの営業所に行かなくてもオッケー。

5安くない値段でもちゃんと売れた!

今回、5点出品して2点が売れました。売り上げは2500円。箱代や配送料・メルカリへの手数料などを除いた販売利益は1270円でした。

例えばひとつ100円とか200円とかの値段ではなく、そして遺品であっても「この商品いいね」と思った人がいて、そして購入してくれた。



メッセンジャーで「非常にいいものでした」とコメントがきた時は本当にうれしくなりました。

6フリマサイトでの遺品整理のメリット・デメリット

自分の祖母の死をもとにはじまったメルカリでの遺品整理ですが、やっぱりメリットとデメリットがありました。

メリット
▼自分たちで値段がつけられる

「処分はかわいそうやって!」と母を止めた時、新たな使い手に届けるという意味ではリサイクルショップに売るのも考えました。ただ、自分たちで値段がつけられないので今回は断念。なんとなく、二束三文の値段だと粗末に扱われちゃうかもしれないので、きちんと商品の価値に見合った価格で買い、大事に使ってくれる人へ届けたかったんです。フリマサイトでは商品状態だけでなく思い入れも含めて「この値段で売れたらいいな」と売る側で設定ができるのがとてもよかった。

▼次に使ってくれる人と直接やりとりができる

これもフリマサイトならではのメリットですね。実際に自分が売る責任者になって、商品販売のやりとりができる......。買ってくれた人への感謝や、母を止めてまでフリマサイトに出品してよかったなという満足感がありました。

▼亡くなった人の思い出が整理できる

なによりこれじゃないでしょうか。売れそうなもの、これはさすがに売れないかな......と品々を吟味して、きれいに洗って、撮影して。売れたら丁寧に包んで配送へ出す。出品作業をするたびに、亡くなった人のことを思い出すことができます。「この茶碗あの時に使ってたよな〜」とか「これって結婚祝いの引き出物じゃない?」と思い出話に花が咲くのも楽しい時間でした。

「そんなん売れへんやろ」と否定的だった母ですが、商品が売れたことを伝えるととても喜んでくれていました。

デメリット
▼自分で出品するにはそこそこ手間がかかる

画像:出品作業中はよく中断してこんな格好でダラダラしちゃいました

出品作業中はよく中断してこんな格好でダラダラしちゃいました。

ここまで書いておいて、良い販売結果が出て何やねん!と方々からツッコミが入りそうなんですが、

仕事してご飯作って掃除洗濯して風呂入って睡眠時間も確保して......の合間に出品作業するの、思った以上に大変〜〜〜!!!

きれいさを心がけて写真を撮って、売れそうな文章を考えて、出品して、梱包して......といろんな「やること」が多すぎ〜〜〜〜!!!

よく昼間のバラエティ番組で「スキマ時間で稼ぐ!」とか「楽して稼ぐ!」なんて言葉を見るけど、全然そんなことないです。出店してる人たち全員めっちゃ努力してるな......と身を以て実感しました。

写真のトリミングや梱包材の用意など、作業本体のためにやっておかなければならないサブ的な作業もあって、遺品をすべてフリマサイトで売ろうとしたらとても時間が足りません。

なので自分の手で売り尽くそうとはせず「これは自分で売った方がいいな」と思えるものだけを選ぶのが負担がないと思いますね。残ったものは無理せず先述したリサイクルショップなど、専門の業者の手を頼った方がいい。

でも、少しでも「このまま売っちゃうのは何だかな」と思うものがあれば、手間がかかっても自分で売ってみてください。

画像:後悔は絶対にしませんから!

後悔は絶対にしませんから!

次の人はどんな環境で祖母の品を使ってくれるだろう。どうか大切に使われますように。そんなことを願いながら、私は売上金をお花に変えて、祖母の墓参りに行ってこようと思います。

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チエネッタ編集部

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