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公開日:2019.03.29

子どものスマホ事情を小中高生ママが本音でトーク!

写真:子どものスマホ事情を小中高生ママが本音でトーク!

新学期に向けてお子さまにスマホを持たせるか悩んでいる保護者は多いのではないでしょうか。「スマホを持たせると依存してしまうかも...」「子どものスマホ制限は簡単にできるの?」など不安を抱えるママさんも多いはず。そこで今回は、お子さまにスマホを持たせている小中高生のママさんと、ネットアドバイザーなどを務める石川さんにネットトラブルの現状や対策を分かりやすく解説していただきながら、子どものスマホ事情やセキュリティーについて本音でトークしてもらいました!

座談会ゲストプロフィール

画像:中川さん

ママインフルエンサー
中川さん

17歳・13歳男児のママ。
2人とも中学入学時にスマホを持たせましたが、いろいろトラブルもあって......。
ネット利用については、家族間でオープンに話すようにしています。
スマホのセキュリティについても勉強したいです。

画像:香奈さん

ママインフルエンサー
香奈さん

11歳男児・8歳女児のママ。
1年前にスマホを持たせたばかり。
まだ周りのお友達が持っていないのでスマホに執着はしていないけど、今後ネットトラブルに巻き込まれないか心配......。
今からできるセキュリティ対策を知りたいです。

画像:石川 千明先生

ネットセキュリティーアドバイザー
石川 千明先生

子育て支援や学校支援の経験を元に、ネットトラブルの現状や対策を学校・家庭・地域に発信するアドバイザーとして活動中。
「どなたにも分かりやすく」をモットーに、子どもたちがネットで被害者にも加害者にもならないための情報モラル講座などを開いています。
子どもたちの「困った」に気付き、守っていけるようネットセキュリティーの知識を一緒に学んでいきましょう。

子どものスマホデビューでトラブル続出!

画像:子どものスマホデビューでトラブル続出!

――今回はお子さまのスマホ事情についていろいろお話していこうと思います。
早速ですが、お二人はお子さまが何歳の頃からスマホを持たせていますか?

中川さん

17歳の長男と13歳の次男がいて、2人とも中学校に上がる時なので12歳からですね。

香奈さん

スマホデビューは長男が9歳、長女が8歳です。今は2人で1台を渡しています。

中川さん

ずっとキッズケータイを持たせていたんですが、中学校に上がる時にちょっと恥ずかしいのでスマートフォンに変えることに。ガラケーに変えることも考えたんですが、周りは全員スマートフォンなのにガラケーはかわいそうだ、と夫に押し切られてスマートフォンになりました。

石川先生

お父さんはテクノロジーが好きな方が多いので、スマートフォンに変えたがるんですよね(笑)。

画像:座談会風景1

――スマホを持たせてからトラブルはありましたか?

中川さん

長男は成績が悪くて取り上げたことも......。成績も夫が管理をしているので、成績表を見て「次のテストまでスマホはお預け」と預かったり、返したりいろいろありました。次男はスマホゲームに課金をしてしまい、本人が気付かないまま5万円の請求が来たこともあります。スマホを持たせたばかりの時で、息子も「えー!」ってびっくりしてて。請求が来た5万円は、子どものお小遣いから毎月1,000円ずつ差し引くシステムで返済させています(笑)

石川先生

子どもの課金トラブルって本当に多いんですよ。国民生活センターに4歳の子どもが2日間で10万円使ったという相談もあったりします。保護者のスマホのパスワード操作を見てロックを解除してしまい、ゲームのコンプガチャ(ネット上のガチャガチャ)が楽しくて2日間で10万円。

中川さん 香奈さん

ええ〜!!

香奈さん

怖いですね。うちは「課金は禁止」って鉄の掟があるんですが、お兄ちゃんはゲームが好きなのでちょっと不安。動画サイトを見るのにもハマっていて。ただ、子どもにはSNSはしないでと約束しています。子どもの顔を出す行為に引っかかる部分があって......。投稿しちゃうとあとで消せないっていうのを子どもに言ってるんですけど流行の動画SNSはすごくやりたがりますね。

画像:座談会風景2

――ゲームや動画にハマってしまうのは怖いですね...。
スマホの利用制限などのスクリーンタイムの設定はしていますか?

香奈さん

してないですね。

中川さん

うちもしてないですね。

石川先生

iPhoneのスクリーンタイム機能やファミリーリンクというアプリでスマホの時間制限や年齢(レーティング)制限が設定できます。設定すると、スマホが使える開始時間・終了時間を決めることができるようになるんです。時間制限をすることで、ゲームのやりすぎや動画の見過ぎを防止することができるので、使いすぎが心配なら設定してみませんか?もう一つ、レーティング設定って聞いたことはありますか?レーティングとは、年齢のことで、年齢に応じたアプリが表示されるようになったり、暴力的なサイトやアダルトサイトにつながらなくする設定もできます。実際にTikTokは13歳以上が対象のアプリなので、保護者の方がこういった機能を知って、設定することもトラブルを未然に防ぐことになりますよ。

中川さん

もっと早く知りたかった〜!早速見てみます。

スマホを持たせることは保護者の責任

画像:スマホを持たせることは保護者の責任

――それぞれのご家庭でのスマホトラブルやルールについてお聞きしましたが、お子さまの友達や学校などご家庭以外で起きたスマホのトラブルについて聞いたことはありますか?

中川さん

息子の小学校が一緒だった友達同士が、ゲームのボイスチャットで喧嘩になっている話を聞きました。ゲームじゃないことで口喧嘩になって、保護者同士が出てくるトラブルにまでなっているみたい。

香奈さん

LINEのトラブルは聞きますね。グループに入れる入れないでお友達同士でうまくいかなかったり、いじめにつながったり。

石川先生

そういった子どものスマホトラブルを聞くととても心配ですよね。子どもにスマホを持たせるか悩むお母さんの中には「うちの子どもだけスマホを持たせていない。友達は20時にオンラインゲームに集合しているけど入れない。子どもはちょっとうらやましいなと思っている程度だけど、他のお母さんからお宅の子どもだけ入ってないけど大丈夫?って心配される」と言う人もいます。

画像:座談会風景3
香奈さん

すごく分かります。保護者としてスマホを持たせないと決めても、ちょっと揺らぐ部分がありましたね。みんなと一緒にしてあげたほうがいいのか、本人がしたかったらなおさら持たせてあげたらいいのかな...?って。

石川先生

子どもにスマホを持たせなかったとしても人間関係などのトラブルは起きてしまいますが、例えばスマホを持っていない友達がいるなら、LINEしている子だけで約束して持っていない子は仲間外れってそれでいいのかな?って考えさせることも必要ではないでしょうか。もし子どもがスマホを使ったことでトラブルが起きた場合は、保護者の責任になることも理解しておく必要があると思います。

中川さん

確かにそうですね。何か起きてからでは遅いので、もう少し子どものスマホ利用に関与してもいいのかも!

スマホ時代に生きる子どもを守るためには

画像:スマホ時代に生きる子どもを守るためには
石川先生

スマホを持ち始める年齢はどんどん低年齢化しています。大阪府内の小学生から高校生約17,000人を対象に行った「OSAKAスマホアンケート2018」の結果では、中学生で8割以上、小学生でも低学年で約2割、高学年で約4割の子どもがスマートフォンを持っているという結果が出ています。スマートフォンを持っていなくてもタブレットやパソコンを持っていて、ゲーム機を入れると小学校低学年でも半数近い子どもが普段から何らかでネットを使っているという時代なんです。

中川さん

たしかに息子はタブレットでレポート提出をしています。下の子が小学6年生の時、児童に1台ずつタブレットを持たせることになって授業も宿題もタブレットを使いました。

石川先生

今の子どもたちは生まれた時からネットがあるので、私たちにとって水や空気と同じような存在としてインターネットがあります。保護者世代は子どもについ「ネットは怖いよ」って言ってしまいがちですが、私たちが水や空気が危険と言われても「なんで?」って思うのと同じで子どもたちはネットが怖いということは分かりません。必要なのは、なぜ怖いのか、どうしたら危険な目に遭わずに済むのかを事例を元に説明すると分かりやすいでしょう。使い方次第で危険な目に遭うことを教えてやるのが大人の役目です。家庭では、お子さまとルール作りをすることが大事ですよ。

画像:座談会風景4
中川さん

夫がルールを作って、冷蔵庫にルール一覧表を貼っています。「ロックをかけない、親がチェックするときはいつでも応じる、23時以降使用禁止、食事の時は使わない、イマドコサーチを常にONにしておく」など事細かに決めていて。トラブルがあるごとに改正されていきます。

香奈さん

うちはゲームばかりすると困るので、自分の部屋にはスマホ持って行かないように言っています。あとは履歴を見ています。子どもが寝たあとに見てるのですが、子どもは私がスマホをチェックしていることを知らないと思うので、罪悪感もあって......。

石川先生

保護者は未成年の子どものスマホ使用に責任が伴います。どんな情報をやり取りしているのか、何のアプリを使っているのか、どれくらいの時間使っているのかは関心を持って見て欲しいと思います。ルールを決める時はまずは子どもに考えさせること。子どもが自分で決めたルールと自分の決めたペナルティーを持って運営し、失敗した時はどうすれば良かったか一緒に考えることが大切です。もう一つ家庭でできることは、おうちで利用しているプロバイダーやスマホの事業者が提供しているフィルタリングを利用することです。セキュリティー機能もあればそれも利用しましょう。これは保護者自身にも必要なトラブル防止策です。どういうプロバイダー、スマホの事業者にどういうフィルタリングの設定があるのかはお店に行って聞いてみるのもいいですし、ご利用のプロバイダーに問い合わせてみてもいいかも知れません。

中川さん

プロバイダーのフィルタリングは初めて聞きました。子どもたちにスマホを持たせた限り、トラブル時の対処法やセキュリティーも一緒に考えていきたいです。

石川先生

スマートフォンを使えることと、安心・安全に自分や友達の人権を守りながら上手に使うことは別物。安心・安全に使うということは保護者が教えなければいけません。トラブルを未然に防ぐには、保護者の関わりが必要不可欠です。子どもが困った時に相談を受け止め、一緒に考えられる親子関係を築いてください。また親子で一緒に勉強して親子でネットリテラシーを高めていきましょう。

香奈さん

子どもに何かトラブルがあったら保護者の責任ですもんね。今まで子どもが寝た後にこっそり履歴をチェックして、すごく申し訳ない気持ちになっていたんですが、これからはスマホを見ることについて、息子に宣言して見るようにします。子どもと日頃からどんな危険があるかという話や使い方を教えていきながら、未成年のうちは保護者も子どものスマホ利用状況を把握しておくべきですね。これを機にセキュリティー面も見直そうと思います。

いろんな利用制限の方法を学んで、安心・安全なネット環境にしよう

画像:いろんな利用制限の方法を学んで、安心・安全なネット環境にしよう

子どもにスマホを持たせる保護者は悩みや心配事は尽きないようです。しかし石川さんのお話にもあったように、子どもをトラブルから守るのも、対処するのも保護者の責任。子どもが持つスマホやアプリの設定も一緒に見直す必要もありますが、ご家庭のWi-Fi環境でも制限設定ができることも。ご家庭のインターネットのセキュリティー強化は、子どもを守るためにすぐにできる対策です。世の中には子どもが持つスマホから有害なサイトをブロックできるサービスもあります。「子どもがどんなサイトを見ているか不安......」という保護者にもおすすめです。保護者も安心してスマホを渡せるように、子どもにとって安全なネット環境を準備してあげましょう。

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シリーズ:子育てデジタルシフトを考える
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チエネッタ編集部

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