チエネッタ

presented by NTT西日本

文字サイズ

公開日:2024.03.28

連載ネットのいろは

vol.58

Wi-Fi 6で通信速度をUP! Wi-Fi 6×10ギガ(Gbps)回線でインターネットをもっと快適に!

Topイメージ

いつもなにげなくWi-Fiを使っているけれど、以前よりもサイトやゲームの動作が重くなった気がする…と感じたことはありませんか?それはWi-Fiルーターが古いために起こっている症状かもしれません。

実は、Wi-Fiにはいくつもの通信規格があり、数年のスパンで何度もアップグレードが行われています。その規格によって通信速度が異なるのです。
今回は、以前の規格から大幅に通信速度がアップしたWi-Fi 6について解説するとともに、Wi-Fi 6の後継規格となるWi-Fi 7の概要についてもご紹介します。

1Wi-Fi 6とは

Wi-Fi 6とは、第6世代目のWi-Fi規格「IEEE802.11ax」を覚えやすくシンプルにした名称のことで、現在最も普及しているWi-Fi規格となっています。

<コラム>
もっと知りたい!「Wi-Fi 6」の誕生秘話
開く

Wi-Fiの後に数字がついた「Wi-Fi ○」という表記、実は古くからある呼び名ではないことをご存知ですか?この呼称は、2019年に市場への提供を開始したWi-Fi 6の登場を機に誕生しました。

ここで、この呼び名が登場した背景を理解するために、通信規格とは何か触れておきましょう。
Wi-Fiの通信規格とは、メーカーや種類が異なるデバイスであっても共通の方法で通信できるように定められた決まりのことです。
この通信規格は、「IEEE802.11(アイ・トリプルイー・ハチマルニ・テン・イチイチ)」と呼ばれ、1997年以来何度もアップグレードされてきました。
新しい規格が出るたびに、「IEEE802.11」の後ろに「a」、「g」などのアルファベットを組み合わせた名称が使われてきましたが、どれが最新の規格であるか、わかりにくいものでした。

そこで2018年、これらの通信規格を提供するWi-Fi Allianceは、「IEEE802.11ax」規格の情報解禁と同時に、Wi-Fiの名称を数字で統一することを発表。「IEEE802.11ax」規格に対応しているネットワークを「Wi-Fi 6」と呼称するとし、以前の規格であるn規格とac規格にもそれぞれ「Wi-Fi 4」「Wi-Fi 5」と同じ呼称ルールに沿った呼び名が与えられました。

このシンプルなナンバリング規則により、どの規格が最新で、ルーターがどの規格に対応しているのかわかりやすくなったのです。

規格による最大通信速度や周波数などの違いを知りたい方は、こちらも合わせてチェックしてみてくださいね。

・Wi-Fi 6の特長

Wi-Fi 6は、以前の規格であるWi-Fi 5をアップグレードしたもので、オンライン化が進む生活をより快適にするために設計されました。

具体的には、接続するデバイス数が多い環境であっても、デバイスとWi-Fi間で一定時間あたりに処理される実際のデータ転送量(実効スループット)の向上をめざして開発されました。
つまり、単純に理論上の速度向上だけを目的としているのではなく、ユーザーの実生活における体感速度の向上を重視しているのです。

主なユーザーメリットは、「高速通信」「同時接続での遅延減少」「複数の周波数帯」「省エネ」の4つです。

これらの特長を持つWi-Fi 6は、高解像度映画のストリーミングから、高帯域幅と低遅延を必要とするオンラインゲームやビジネスアプリケーション、商業施設や駅などの大規模なネットワークなど、デバイスの増加・コンテンツの大容量化が進む環境においても、より効率的にデバイスを動作させるのに役立つといえるでしょう。

次の章では、これら4つの特長についてさらに掘り下げるとともに、実際にWi-Fi 6を導入することで具体的にどのようなメリットが得られるのか説明していきます。

2Wi-Fi 6の強み

[高速通信]

これまでのWi-Fi規格では、データを一度に一方向にしか移動できなかったのが、Wi-Fi 6では、MU-MIMO(マルチユーザーマイモ)という技術が追加されたことにより、複数の端末で同時にデータの送受信を行えるようになりました。

例えば、動画配信サービスで映画を観ながら、SNSで友人にメッセージを送るとしましょう。
この場合、LANケーブルを用いた有線接続では、映画を観ながら(受信)、友人にメッセージを送る(送信)ことができます。一方、これまでのWi-Fi規格では1本の通信路で受信と送信を行うため、メッセージを送信すると、ストリーミングの受信信号が一時的に止まってしまうのです。

この遅延で動画の再生が止まってしまうことはありませんが、リアルタイム通信を重視するFPSゲーム(操作するキャラクターと同じ視点でゲームの中を動くゲーム)では、勝敗を分ける重要なポイントのひとつとなりえます。

このようなWi-Fi特有の仕様により、送受信のタイミングが重なるほどWi-Fiの通信速度は低下する傾向にありましたが、Wi-Fi 6では同時に送信と受信を行うことが可能になったため、Wi-Fiルーターとデバイス間のやり取りがスムーズになりました。

[同時接続に強い]

同時接続に強い

現在、ほとんどの家庭には、5年前よりもはるかに多くのWi-Fi対応デバイスがあります。
スマートフォンやタブレットだけでなく、テレビや掃除機、インターホンなどのIoT機器まで、あらゆるものがWi-Fiルーターに同時に接続されるようになりました。

しかし、Wi-Fi 6以前のWi-Fiルーターは、1通信で1つのデバイスにデータを届ける仕組みであったため、同時に多くのデバイスを接続すると、Wi-Fiの稼働効率が下がってしまいます。その結果、各デバイスの通信速度が低下してしまうのです。

Wi-Fi 6では、OFDMA(直交周波数分割多元接続)という技術が採用されたことにより、1通信で複数のデバイスにデータを届けることができるようになりました。

OFDMAとは、データを送受信するための経路(チャネル)を各デバイスごとに細分化して割り当てる技術です。
このOFDMA技術により、同じ通信経路を各デバイスで効率的に分け合って利用できるようになったため、複数のデバイスに接続していても通信の順番待ち(レイテンシー)が発生しにくくなりました。

そのため、ワイヤレスVRヘッドセットを使用しながらオンラインゲームをしたり、音楽をストリーミングしたりする時間が重なったとしても、快適に楽しむことができますよ。

[複数の周波数帯]

Wi-Fi 5が5GHz帯のみ対応していたのに対し、Wi-Fi 6では2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯で通信できるようになりました。つまり、状況によって利用する周波数帯を切り替えることが可能なのです。

それぞれの周波数帯には特性があるため、利用環境に合わせてうまく使い分けることが大切です。

  メリット デメリット
2.4GHz 障害物に強く、広い範囲に電波を届けることができる 電波干渉を起こしやすく、通信が不安定になる場合がある
5GHz 2.4GHzより通信速度が速く、電波干渉を起こしにくい 障害物に弱く、電波が届く距離が短い

■関連記事
【わかりやすく解説】Wi-Fiの2.4GHzと5GHzって何が違うの? それぞれの違いを解説します!

周波数帯は手動でも切り替え可能ですが、Wi-Fiルーターに「バンドステアリング」という機能があれば、自動で2.4GHz帯と5GHz帯のどちらか混雑していない周波数帯に切り替えてくれます。

使用する周波数帯の選択肢が増えることで、ネットワークの混雑を避けることができるのも、Wi-Fi 6の魅力のひとつといえるでしょう。

<コラム>
Wi-Fi 6Eで新たに追加された「6GHz帯」
開く

Wi-Fi 6Eは、Wi-Fi 6の拡張バージョンで、2022年に登場しました。
Wi-Fi 6Eの最大通信速度は9.6GbpsとWi-Fi 6から変更はありませんが、従来の2.4GHz帯と5GHz帯に加えて6GHz帯を利用できるのが特長です。
この6GHz帯の追加により、高速通信が可能な160MHz幅の通信経路(チャネル)が新たに3本追加されました。
選択肢が増えることで、混雑していない通信経路を選びやすくなり、より安定した通信を期待できます。

しかし、電波は周波数が高いほど通信距離は短くなり、また障害物にも弱くなります。6GHz帯の周波数は非常に高いため、通信距離は同じ部屋か隣の部屋での接続に限られます。6GHz帯の範囲外に出ると、ルーターは自動的に5GHz帯接続に切り替わりますが、回線契約や用途によってはオーバースペックになり、性能を最大限に活かせない場合もあります。
使用する際は、用途や部屋の間取りを確認しておきましょう。

[省エネ]

デバイスのバッテリー消費を軽減

Wi-Fi 6には、スマートフォンやパソコンなどのデバイス側のバッテリー消費を削減するTWT(Target Wake Time ターゲット・ウェイク・タイム)という技術が追加されています。

TWTとは、デバイスがデータを送受信するときだけルーターと接続できるように、通信のタイミングをコントロールする技術です。これにより、デバイスのバッテリー寿命を延ばすとともに、必要なときだけルーターに接続することで、ルーターの帯域幅をより効率的に使用することができます。

3Wi-Fi 6とともに、高速通信のカギとなる「10ギガ(Gbps)」回線

Wi-Fi 6は、従来の規格と比べて通信速度・安定性が向上していることはもちろん、同時接続にも強く、省エネ性能にも優れていることがわかりました。これらのメリットを最大限に活かすなら、多くのデータを一度に送受信できる10ギガ(Gbps)の光回線がおすすめです。

NTT西日本では最大概ね10Gbps※1スペックのサービスとして「フレッツ 光クロス(FTTHアクセスサービス)」を提供しています。
「フレッツ 光クロス」は次世代のインターネット接続方式といわれている「IPv6 IPoE」方式に対応しており、混雑が起こりやすいネットワーク終端装置を経由せずに直接インターネットへ接続するため、スムーズなデータのやり取りが可能です。※2

※1 技術規格上の最大値であり、実効速度ではありません。なお、本技術規格においては、通信品質確保等に必要なデータが付与されるため、実効速度の最大値は、技術規格上の最大値より十数%程度低下します。インターネットご利用時の速度は、お客さまのご利用環境やご利用状況等によっては数Mbpsになる場合があります。ご利用環境とは、パソコンやルーター等の接続機器の機能・処理能力、電波の影響等のことです。ご利用状況とは、回線の混雑状況やご利用時間帯等のことです。

※2 インターネットのご利用には、プロバイダーとの契約・料金が必要です。


IPv6は、従来のIPv4と比べてパケットの転送効率が改善したことにより、ネットワークの負荷が軽減されています。「フレッツ 光クロス」と合わせて、IPv6で通信できるWi-Fi 6対応ルーターを利用すれば、動画やゲームへの没入感をさらに維持できますよ。

ルーター選びに迷った場合は、「フレッツ 光クロス」に対応した「ホームゲートウェイ(フレッツ 光クロス対応レンタルルータ)」を選択するのもひとつの手です。「フレッツ 光クロス」をご契約いただいた方に有料でレンタルが可能です。10ギガ(Gbps)に対応したLANポートはもちろんのこと、Wi-Fi 6にも対応しているため、どのルーターが適切なのかわからない場合は、メーカー選びや設置・設定の負担を減らすことができますよ。

■関連記事
IPoEとは? IPv6 IPoEになると何がいいの? メリット・デメリットを解説

10ギガ(Gbps)光回線のメリット・デメリット・必要なものを紹介

さらに、NTT西日本から光回線を借り受けてサービスを提供している光コラボレーション事業者の「コラボ光」もあり、幅広い方にご利用いただけます。

「フレッツ 光クロス」がお住まいのエリアで利用できるか「提供エリア確認」で調べてみてくださいね。

4まもなく登場!最新規格「Wi-Fi 7」

まもなく登場!最新規格「Wi-Fi 7」

接続台数の多い環境でも、より多くの動画配信サービスを同時に扱うことを可能にしたWi-Fi 6。このWi-Fi 6に次ぐ最新規格Wi-Fi 7が、2024年より発売される予定です。

Wi-Fi 7は、家庭やヘルスケア、産業用IoTにおいて、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)の利用が拡大する未来を見据えて設計されています。

■関連記事
Q. VR、AR、MRとは何ですか?

Wi-Fi 6の理論上の最大通信速度が9.6Gbpsであったのに対し、Wi-Fi 7では46Gbpsにまで向上しています。ただし、これは従来の規格と同様に、理論上の速度のため、必ずしも実生活でその速度に達するとはいえないでしょう。

とはいえ、この最大速度は複数のデバイスで共有されるため、Wi-Fi 7に対応したデバイスは最大速度に達しない場合でも、大幅に向上した高速通信を期待できます。

また、Wi-Fi 6の最大通信経路(チャネル)が160MHz幅であったのに対し、Wi-Fi 7では新たに320MHz幅が導入されることで、より混雑に強くなります。

他にも、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯のすべての周波数帯を組み合わせて同時に使用することが可能になり、これまで以上に多くのデバイスと同時に接続できるようになっています。

Wi-Fi 7に対応するデバイスが一般的になるまでには数年はかかると思われますが、Wi-Fi 6に対応した製品は数多く出回っているため、すでにWi-Fi 6に対応可能なデバイスをお使いになられているかもしれませんよ。
「比較的新しいパソコンなのに画面のカクツキが気になる…」という方は、まずはWi-Fi 6の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

※本文に記載されている商品またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。
※この記事は2024年2月6日現在の情報です。

「インターネット回線」を見直してみませんか? 「インターネット回線」を見直してみませんか?

リモートワーク、オンラインゲーム、スマートフォンのWi-Fiなど日々の仕事や暮らしで安定して高速な光回線が求められています。
光回線を選ぶなら、「NTT西日本品質」という選択を。

審査22-956-1

チエネッタ編集部

チエネッタ編集部

インターネットを楽しく・便利に使うための情報を発信しています。Wi-Fiを使った節約術や、パソコンの便利な操作方法など、暮らしに役立つ「チエ」と、会話を盛り上げる「ネタ」をお届けします。
運営会社:NTT西日本

審査22-690-1

こちらもおすすめ

あなたのお気に入りリスト

あなたが最近読んだ記事

審査23-1253