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公開日:2024.10.30

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XR(クロスリアリティ)とは? VR・AR・MRの違いやXRの将来性について

XRゴーグルをつけている人のイメージ

「XR」という言葉を聞いたことがありますか?
「XR」とは一体何なのか、私たちの生活にどのような関わりがあるのでしょうか?今回は新しいトレンドとなりえる「XR」についてご紹介します。

1XRとは?

XRという文字の周りにVR・AR・MRのアイコンがあるイメージ

「XR」とはExtended Reality(エクステンデッド リアリティ)の略称で、現実世界と仮想世界を融合させて新たな空間を生み出す最先端の技術の包括的な表現です。
「XR」の中には、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)が含まれており、「VR」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。
現在ではVRゴーグルのようなXRデバイスがたくさん販売されており、専用のXRデバイスを利用することで「VR」「AR」「MR」を体験することができます。
しかしながら、「VR」「AR」「MR」の違いについて知らない方が多いのではないでしょうか。
下記の表はそれぞれについて簡単にまとめた表です。

【VR・AR・MRの特徴】

  VR AR MR
正式
名称
Virtual Reality
(バーチャル リアリティ)
Augmented Reality
(オーグメンテッド リアリティ)
Mixed Reality
(ミックスド リアリティ)
意味 仮想現実 拡張現実 複合現実
特徴 VRを体験している人のイメージ
現実世界とは異なる仮想世界に入り込んだような体験ができる
ARを体験している人のイメージ
現実世界と仮想世界を重ねることによって拡張された現実世界の体験ができる
MRを体験している人のイメージ
現実世界と仮想世界を融合することによって複合された現実世界の体験ができる

大体の違いがわかれば、次章からの内容がより理解しやすいと思います。それでは各要素についてもう少し詳しく見ていきましょう。

2VR・AR・MRについて

VR・AR・MRでそれぞれ遊んでいる人のイメージ

「VR」・「AR」・「MR」については、「仮想のものを使う」という部分は共通していますが、その使い道や使い方が異なるため、具体例を交えて見ていきましょう。

・VR(仮想現実)

「VR」とはVirtual Reality(バーチャル リアリティ)の略称で、日本では「仮想現実」とよく表現され、CGで作られた世界にあたかも入り込んだような疑似体験ができる技術です。
現時点で利用されているサービスには「cluster」などがあります。これは仮想世界にてインターネットを利用して様々な人と交流やゲームなどをすることができるサービスです。

「VR」が出始めた当初は専用デバイスの種類が少なく、サービスも非常に少なかったですが、現在では豊富な種類のデバイスやサービスがあります。
「XR」ではヘッドマウントディスプレイと呼ばれる頭にかぶるゴーグルのようなものがよく使われています。映像を視界全面に映るようにすることで、あたかも自身がその映し出された空間にいるかのように感じることができます。
高機能なセンサーやレンズ、音響機能を搭載した本格的な疑似体験ができるヘッドマウントディスプレイも増えていますが、中にはスマートフォンを専用ゴーグルに装着して使用するものもあります。これはスマートフォンに搭載されているジャイロ機能等を利用することで簡易的に「VR」を作り出すというものです。

・AR(拡張現実)

「AR」とはAugmented Reality(オーグメンテッド リアリティ)の略称で、日本では「拡張現実」とよく表現され、CGで作られたものを現実世界の映像に重ねる技術です。

イメージしやすいように例えると、アパレルショップにて服を首元あたりから当てることです。実際に服は着ていないけど、首元から当ててどんな感じか鏡で確認したことはありませんか?「AR」とは現実世界に仮想世界を重ねることです。

「AR」では想像しやすいように首元から服を当てる例を挙げましたが、もし、サングラスのようなものに地図が映し出されて、分かれ道に矢印などで目的地へのルート案内がされる機能があれば非常に便利ですね。
「VR」とは違い、拡張現実のため、何を拡張するかによって楽しみや利便性は異なります。今回の例は地図を「AR」で利用するといったものでしたが、今後はさまざまなアイディアがでてくると考えられます。
また、もしかしたら学校の授業に使う教科書などを「AR」で見るのが普通になる未来がくるかもしれませんね。

・MR(複合現実)

「MR」とはMixed Reality(ミックスド リアリティ)の略称で、日本では「複合現実」とよく表現され、CGで作られたものを現実世界の映像と融合する技術です。

イメージしやすいように例えると、アパレルショップにて服を試着することです。こちらは「AR」とは異なり、首元あたりから当てるのではなく試着します。もう少しわかりやすく説明すると、「AR」は最上面に何かしらの仮想世界を重ねることで、「MR」は現実世界と仮想世界を融合して自由な位置から見ることができ、体の動きと連動した操作ができます。

「MR」については想像しやすいように服の試着を例に挙げましたが、既に存在するもので言えば、「宙に浮いている仮想のWebブラウザーとキーボードを指でタイピングすると反映される」といった現実世界の自分の手と仮想世界のキーボードの融合があります。近未来などをテーマにしたSF映画で見る、映像だけが空中に浮いていて「指で操作している!」といった世界が既に存在しているといっても過言ではないでしょう。
もしかしたら、どんな感じの服か実際に着て確かめるのではなく、「MR」によって自宅で時間をかけずに試着をして購入し、発送してもらうといった買い物の概念が変わる未来がくるかもしれませんね。

それぞれについては別の記事でも紹介しているのでよければ見てくださいね。

■Q. VR、AR、MRとは何ですか?
https://flets-w.com/chienetta/technology/cb_otherl42.html

3XRの現状や将来性について

XRゴーグルをつけて仮想のディスプレイを触っている人のイメージ

「XR」はゲームやエンターテイメント分野を中心に急速に発展していますが、「XR」の実用化はそれだけではありません。例えば、教育分野では、「XR」を活用した学習教材が開発されており、より効果的な学習を提供することが期待されています。具体的なものでいうと、理科の授業の時に実際には難しい危険な薬品を混ぜ合わせるような実験も仮想現実にてシミュレーションができることで、教科書を読む以上の実験結果を体験することが可能になり、より効率的に学習できます。

また、医療分野では、手術シミュレーションやリハビリテーションなど、様々な分野で「XR」が活用されています。
【名古屋大学 メディカルxR センター】では、豊富な「XR」の技術を利用して様々なケースのシミュレーションに挑戦しています。
医療分野における「XR」の活用例については次のWebサイトをぜひご覧になってください。

■名古屋大学 メディカルxRセンター
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/mxr/

また、「XR」の技術によって生まれたものがメタバースです。メタバースについては別の記事にて紹介しているので、よかったら見てくださいね。

■メタバースとは? デジタルツインと10ギガ回線で楽しむメタバースイベント
https://flets-w.com/chienetta/technology/cb_other60.html

■メタバースとは?注目される背景や始め方をわかりやすく解説
https://flets-w.com/chienetta/technology/cb_other53.html

仮想世界がさらに普及して、利用されることが当たり前になると、今まで電車などの公共の交通機関を使って現地へ向かう必要があったことはすべて仮想世界で済むようになるでしょう。具体的に例を挙げると、セミナーや企業説明会などです。打ち合わせや会議など、会話やプレゼンのみで成立するものはすべて仮想世界で行うことができ、現地に向かう労力やその場に相応しい服装などの準備が必要なくなります。また、例に挙げたアパレルショップでの服の試着のような「XR」で体験ができるサービスであれば、「XR」で代替が可能です。
ただ、現代では「Face to face」という言葉があるように、実際に会うことで信頼関係を構築するという考えも存在するため、「XR」をベースに動く社会になるのはもう少し時間がかかるかもしれません。

4XRの実用化に重要なものとは?

XRゴーグルをつけている人のイメージ

「XR」の実用化に重要なものは大きく2つあります。

1つ目はXRデバイス等の性能です。
仮に性能が低い場合、仮想の映像が解像度の低いドット絵になったり、立体的に表現されないため、仮想空間の品質が下がります。

2つ目は回線速度です。
仮に回線速度が遅い場合、現実での動きと仮想空間での動きに時間差が生じ、仮想体験に違和感を覚えてしまうかもしれません。例えば、仮想空間でテニスをしているときにボールが飛んできたからラケットを振ったのに1秒後に動いてボールを打ち返せなかったとなるとストレスに感じてしまいますよね。

言い換えると、この2つの品質がいいと素晴らしい「XR」体験が可能になります。「XR」とはいかに仮想で作られた世界を現実であるかのように体験させることが非常に重要だということです。

仮想空間のような大容量のデータのやり取りには、インターネット回線の主流である光回線がおすすめです。
最近では10G(ギガ)のような大容量回線がスタンダードになることが予想されているため、「XR」を利用中に「ラグい」と感じる場合は、回線速度の向上と安定性を高めてみましょう。
「ラグい」とは、通信の瞬断や遅延によりタイムラグが発生することで、詳しい内容を知りたい方は別の記事でご紹介しているので、よろしければ見てくださいね。

■「ラグい」とは? 今さら聞けない「ラグ」の意味・原因と対策をわかりやすく解説
https://flets-w.com/chienetta/pc_mobile/cb_other63.html

NTT西日本では最大概ね10G(ギガ)※1の「フレッツ 光クロス」を提供しています。
また、NTT西日本から光回線を借り受けてサービスを提供している光コラボレーション事業者の「コラボ光」からも最大概ね10G(ギガ)スペックのサービスが提供されています。

高速で安定性を追求したインターネットを提供するNTT西日本品質なら、大容量通信の環境を快適に過ごすことができるため、快適な通信環境にしたい方などにおすすめです。※2

※1 技術規格上の最大値であり、実効速度ではありません。なお、本技術規格においては、通信品質確保などに必要なデータが付与されるため、実効速度の最大値は、技術規格上の最大値より十数%程度低下します。インターネットご利用時の速度は、お客さまのご利用環境やご利用状況などによっては数Mbpsになる場合があります。ご利用環境とは、パソコンやルーターなどの接続機器の機能・処理能力、電波の影響などのことです。ご利用状況とは、回線の混雑状況やご利用時間帯などのことです。
※2 インターネットのご利用には、プロバイダーとの契約・料金が必要です。

5まとめ

ここまで読むと「XR」について詳しくなったのではないでしょうか?いくつか例を出しながら未来のお話もしましたが、非常に拡張性のある分野で夢もロマンもありましたね。既にさまざまなサービスが提供されていて、さらに技術が発展すると「XR」でほとんどのサービスを仮想空間で体験できるような未来がくるかもしれません。
また、メタバースの市場規模に至っては、2022年に655.1億ドルだったものが2030年には9,365.7億ドルまで拡大すると予想されており、今後の成長を見込んだ参入も相次いでいます。
※令和5年版情報通信白書 第3章 「メタバース、デジタルツイン」より引用
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/pdf/n3100000.pdf

そのため、メタバースを利用する通信機器の需要も高まっていくのではないでしょうか。

十数年前にはスマートフォンやタブレット端末が当たり前になるのが想像できなかったように、「XR」の今後は私たちの生活の常識を塗り替えるポテンシャルを備えています。
進化し続けている「XR」は、今後も目を離せない分野と言えるでしょう。

※この記事は2024年9月5日現在の情報です。
※本項に記載されている商品またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。

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チエネッタ編集部

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